連合と総理との「政労会見」が11月27日午後3時から首相官邸で行われ、小泉総理に対し「2002年度予算編成に関する要請書」を提出した。会見には、連合から笹森会長、榊原会長代行、草野事務局長、石川・丸山・植本各副会長らが出席、政府側は小泉総理、福田官房長官、坂口厚生労働大臣らが対応した。
この日の「政労会見」では、雇用対策の強化や第2次補正予算の早期実施、来年度予算編成に関わる政策課題等を中心に話し合いが行われたが、公務員制度改革についても要請がなされた。
公務員制度改革の課題については、先の連合大会で「公務員の労働3権の回復と民主的な人事制度の確立にむけ、官民を問わず、すべての労働組合が連帯して闘いに立ち上がろう」との「決議」がなされ、決定された運動方針を踏まえて「重要な政策課題」として要請事項に盛り込まれた。
公務員制度改革について、会見の冒頭、笹森会長が「連合は労働3権の保障を最重要視している。改革に対しては前向きに対応してほしい。この問題で政府と協議する場を設けてもらいたい」と要請した。これを受けて草野事務局長が要請事項を説明、そのなかで、「公務員制度改革で能力・成果主義の人事・給与制度の導入がいわれている。この制度を円滑に実施するには労使が果たす役割が極めて大きく、民間でも労使間の対話と協議が不可欠である」として、公務員に労働3権を認めた制度改革とするよう強く求めた。
会見の最後に、笹森会長は、「公務員制度改革では民間並の労使協議ができる制度が必要である。12月7日に行革担当大臣との交渉が予定されているようだが、それまでに政府(官邸サイド)と交渉を持ちたい」と要請。榊原会長代行からも「当事者同士が責任を負える制度改革となるようにしてもらいたい」との訴えがなされた。
なお、「要請事項」のうち公務員制度等に関わる事項は次の通り。
(1) 一般の公務員の賃金・労働条件については、団体交渉に基づいて決定する労働基本権を認める。
(2) 公務員の人事・給与制度の検討は、労働組合との協議によって新たな制度を確立する。
(3) 現行の「キャリア制度」は廃止し、また、公務員の特殊法人等への「天下り」については、原則的に禁止する措置を講じ、国民に理解が得られる民主的で公正な公務員制度を確立する。
(4) 特殊法人等の整理合理化計画の策定にあたっては、関連労働組合の意見を必ず聴取するとともに、当該職員の雇用を確保をはかる。
〈「政労会見」全体の経過については、「連合闘争本部ニュース」(01.11.27付)を参照のこと〉
連合大分が「緊急雇用対策・民主的な公務員制度改革実現!大分県集会」開催
民間組合を含め210人参加、「決議文」を行革推進事務局に送付
連合大分は、6月に開催した公務員制度のあり方を考える学習会に引き続き、11月22日に「緊急雇用対策・民主的な公務員制度改革実現!大分県集会」を開催した。連合中央から各地方連合会に要請した全国統一行動の一環として開いたもので、集会には民間組合からの参加者55人を含む210人が結集した。
冒頭、主催者を代表してあいさつした連合大分・羽明会長は、「行政は国民のためにある。制度改革を考える基本的視点は、国民が求める行政とは何か、それを支える公務員制度はどうあるべきかである。戦後日本は、官僚主導型の画一的、中央集権的な行政が続いた。国民本位の行政に対応できる公務員制度改革は、公務員が誇りをもって働きがいのある職場の確立、民主的な労使関係の確立が不可欠。そのためには、労働基本権が保障されるとともに、労使協議のシステムの確立が必要だ。総力を挙げて取り組もう」と訴えた。
次に連合官公部門「対策本部」・山本事務局長から基調報告を受けた。そのなかで「これまでは人勧制度に守られていた面もあったが、今後、人事院の権限縮小、各府省の権限強化の流れのなか、われわれは、これまで民間組合より制約されていた労働基本権を確立し労使交渉で決定していくことを選択した」という報告は参加組合員に強烈な印象を与えた。
集会では、国公総連と日教組から、「勤労者全体の力を合わせて労働基本権を確立するまで総力を挙げて取り組む」との決意表明があり、「雇用の確保と創出を求める」集会アピール・「労働基本権を確立し民主的な公務員制度改革を求める」決議を採択し、“怒り”の団結がんばろうで閉会した。なお、「決議文」は、直ちに行革推進事務局に送付した。
連合大分では、本集会を契機に、12月の「大綱」策定に向け官民問わず最後まで総力を挙げて闘うこと、2002年春季生活闘争のなかでも取り組みを強化していくことを確認するとともに、こうした取り組みをとおして「連合大分官公部門連絡会」を立ち上げる予定にしている。
以上