みんなの力で、労働基本権の確立と民主的な公務員制度改革を実現しよう

労働基本権確立・公務員制度改革

対策本部ニュース

No.64 2001年12月6日

連合官公部門連絡会


連合が公務員制度改革について官房長官に要請
労働3権認めた制度改革と条件整備まで「大綱」策定時期の延期求める

 12月5日、連合は、公務員制度改革について、首相官邸で福田官房長官に要請を行った。連合から、「公務員制度改革・特殊法人等改革委員会」の草野委員長(連合事務局長)、村上同副委員長(連合副事務局長)、石川国公連合副委員長、山本連合官公部門「対策本部」事務局長、政府から、福田官房長官、竹島内閣官房副長官補、坂本厚生労働省政策統括官が出席した。
 連合は、公務員制度改革については、@一般公務員には、団体交渉にもとづいて賃金・労働条件等を決定する労働三権を認めた公務員制度に改める、A人事・給与制度の検討は、公務員に基本権を認め、労働組合との協議によって確立する、B「キャリア制度の廃止」「天下りの原則禁止」の措置を講じ、国民の理解が得られる民主的で公正な公務員制度を確立する、としており、この方針と政府・行政改革推進事務局での検討状況を踏まえ、官房長官への要請を行ったものである。
 要請のなかで、草野事務局長は、労働基本権の確立を強く求めるとともに、政府の行政改革推進事務局は誠実な交渉・協議を行うこと、公務員制度改革の「大綱」は十分な協議を行いまとめるとともに条件が整わない場合には時期を延期すること、団体交渉に基づいて労働条件を決定する公務員制度とすること、政府は人事権者としての一元的な体制を確立すること、などを要請した。
 これに対して、福田官房長官は、要請事項のなかで、中央人事行政機関に関する情報開示については、昨日〈4日〉行われたとの認識を示したうえで、「労働基本権などの課題については、与党ともよく協議し、慎重に対応したい。本日の要請事項については極力誠意を持って話し合いをさせていただく」「職場は明るくはつらつとしたものであってほしい。ご意向も踏まえながらよく研究をしたい」などと回答した。
 連合は、今後、公務員制度の改革に向け、12月7日(金)18:00〜日比谷野外音楽堂にて官公部門連絡会との共催による「緊急雇用対策実現、労働基本権確立・民主的公務員制度改革を求める中央集会」を予定している。
〈「連合闘争ニュース07」より引用〉



2001年12月5日

 内閣総理大臣
  小泉 純一郎 殿

日本労働組合総連合会   
会 長  笹 森  清


公務員制度改革に関する要請書


 政府・行政改革推進事務局は、6月に公表した「公務員制度改革の基本設計」をもとに、9月の「新人事制度の基本構造」に続き、11月に「行政職に関する新人事制度の原案」を示してきており、今月の「公務員制度改革大綱」策定に向けた作業は、正に大詰めの段階にあります。

 しかし、これまでに提起されてきた内容は、21世紀にふさわしい公平・公正、透明で国民本位の公務員制度を実現するための基本理念や全体像を示していないばかりか、使用者の権限強化を主目的とした人事管理権限の各府省大臣への集中やキャリア制度の温存をはかる一方で、労働基本権確立の課題は結論を先送りするなど、多くの矛盾を内包しています。また、諸制度の構築にあたって、当該公務員労働者の代表である関係労働組合との十分かつ誠実な交渉・協議の姿勢も伺えません。

 連合は、5月に「21世紀の公務員制度・労働基本権確立の基本要求について」をとりまとめ、既に政府に提出するとともに、先の第7回定期大会においては、「公務員の労働基本権の確立、特殊法人等の雇用保障を求める取り組み」を採択してきました。

 連合は、国民が求める新たな公務員制度への改革とその実現、公務員の労働基本権の確立をめざし、以下の事項を民主的に改革されるよう、強く要請いたします。



1.賃金労働条件に係る制度の設計と労働基本権の扱いは不可分であり、政府・行政改革推進事務局は、報道されている中央人事行政機関の切り分け案を関係労働組合に開示し、誠実な交渉・協議に応じることを求めます。

2.公務員制度改革の「大綱」は、十分かつ誠実な交渉・協議に基づいて取りまとめるよう求めます。
 また、条件が整わない場合は、取りまとめ時期を延期するよう求めます。

3.労働基本権を確立し、団体交渉に基づいて賃金労働条件を決定する公務員制度とすることを求めます。
 そのために、使用者として給与・任用・退職手当・共済等、労働条件に関わる諸事務を一元的に所掌し、人事権者・使用者としての責任が明確となる体制を確立することを求めます。

以上