みんなの力で、労働基本権の確立と民主的な公務員制度改革を実現しよう

労働基本権確立・公務員制度改革

対策本部ニュース

No.75 2001年12月27日

連合官公部門連絡会


労働基本権めぐり連合が官房長官と会談
政府の不誠実な回答に「ILO提訴も検討」と抗議

【連合 闘争本部ニュースbO7−37」】 12月25日の「公務員制度改革大綱」の閣議決定に先立ち、連合は21日、首相官邸で福田官房長官と会談し、労働基本権問題など公務員制度改革について政府の見解を質した。連合から丸山副会長(連合官公部門「対策本部」本部長)、草野事務局長、村上副事務局長、山本「対策本部」事務局長が出席、政府からは、福田官房長官、竹島内閣官房副長官補、坂本厚生労働省政策統括官が対応した。今回の会談は、連合が12月5日に申し入れていた要請事項に対して、政府から回答を受けるため設定されたもの。
 会談では、福田官房長官から、「連合からの要請を踏まえ政府として慎重に検討を行い、自民党も行政改革本部で検討した」として、「25日に公務員制度改革大綱の閣議決定を予定しているが、公務員の労働基本権問題については、安定的、継続的な公務の運営の確保、国民生括に与える影響を考え、相応の措置を確保しつつ、現行の制約を継続したい。与党もこの内容で了承している」との見解を示した。
 これに対して草野事務局長は、「政府の方針は承った。今般の改革方針についての連合の基本的な考え方を申し上げたい」として、次のように見解をのべ、政府方針を厳しく批判してILOへ提訴する考えを示した。
@ 政府部内における作業の進め方をみると、ILOでの政府見解が誠実に履行されているとはいえない。当該の労使関係当事者に対して、石原担当大臣から労働基本権権の扱いに対する回答さえないのは遺憾であり、早急に誠意ある対応をされるよう、官房長官からも尽力されたい。
A 連合は、各省大臣・人事管理者に使用者権限と責任を持たせた人事管理システムを構築することに異論はない。ならば、それに照応して労働基本権を確立した公務員制度とすべきである。しかし、大綱案は、労働基本権制約の立法政策を堅持するとしており、改革は不徹底で働くものの立場が弱められ、到底容認できず反対である。決定制度への労働組合の関与のあり方が現行と変わらないならばILO提訴を含め重大な決意で反対運動を進めざるを得ない。
B 後世に悔いの残らない公務員制度とするために拙速を避け、超党派的な幅広い検討の場を設置するなど、いま一度国民的な議論に付し国民的合意に基づく制度改革を進められるよう強く求めておきたい。
C 法案化作業については、賃金・労働条件に直結するものが多くあることから当該組合との十分な交渉・協議を進めるよう申し入れる。
 また、丸山副会長は、「本日は政府から連合への回答を受けたが、使用者としての石原行革担当大臣から当事者であるわれわれに回答がないのは問題だ。今回の制度改革によっても代償機能は弱体化しないとの説明たが、われわれは、いちじるしく低下すると考えており、危機感を持っている」と訴えた。



連合北海道官公部門連絡会が代表者会議開き、「大綱」めぐり学習会

 連合北海道官公部門連絡会は、25日午後3時から自治労会館で代表者会議を開催し、そのなかで「公務員制度改革」をめぐって3回目の学習会を持った。
 学習会では、「対策本部」の大久保事務局次長を講師に招き、この日閣議決定された「公務員制度改革大綱」の問題点と今後の取り組みについて説明を受けた。講演に先立ち北海道連合官公部門の天本議長があいさつ、「大綱」が閣議決定されたことに抗議するとともに、「粘り強く地域から運動を巻き起こそう」と呼び掛けた。
 講演で大久保次長は、昨年12月の「新行革大綱」から始まったこの1年間の取り組みについて触れたあと、「大綱」について、「決定に至る手続き上からも、内容上からも問題だ」として、労働基本権を制約したまま使用者の人事管理権限を拡大・強化する政府の姿勢を批判、さらに、新人事制度について、「能力主義に基づくトータルな人事管理システム」の問題点を指摘した。そのうえで、「大綱」を受けて闘いは第2段階に入ったとして、署名運動や民間組合の協力要請行動など、全国からの取り組み強化を訴えた。
 代表者会議では、2002年度の活動方針を協議、このうち「行革問題への取り組み」として、「国会議員要請行動に取り組むとともに、中央が提起する諸行動に積極的に参加する」ことなどを決めた。

以上