対策本部は、8月30日14時30分から、新たに就任した行革推進事務局の堀江事務局長と初の交渉を行った。交渉では、各構成組織が単組・支部など下部組織単位に取りまとめた「民主的公務員制度改革を求める決議」16,337枚を提出し、要請事項の実現を求めた。また、今後の作業スケジュールを質し、十分な交渉・協議を保障するよう求め「見切り発車」で作業を進めることのないようクギをさした。
交渉には、対策本部から山本事務局長ほか各構成組織書記長クラスが出席、推進事務局側は、堀江事務局長のほか春田公務員制度等改革推進室長らが対応した。
冒頭、山本事務局長から石原大臣宛「決議」を堀江事務局長に手渡し、「1,000万署名を達成したが、平行して取り組んだ職場からの決議であり重く受け止めてもらいたい」と前置きし、3つの決議事項について見解をただした。これに対し堀江事務局長は次のようにのべた。
@ 「公務員制度改革大綱」については、閣議決定されたもので重く受け止めており、撤回というのでなく、さらにこれを深め具体化に向けて詳細な検討に入っている。検討にあたっては、関係者である皆さんとの誠実な交渉・協議により作業を進めていくようにしたい。
A 天下りの禁止を求めているが、退職後、年金支給時期までの生活基盤として再就職は必要と考えている。この問題とあわせ公務の公正性、信頼性の確保も重要なことなので、こうした点を含めて、今後さらに検討したい。
B 労働基本権の確立の問題については、組合が最も重視されている課題だと承知している。大綱では、「労働基本権の制約については、今後もこれに代わる相応の措置を確保しつつ、現行の制約を維持する」とした。さまざまな議論を経てこうした結論になった。現行の制約を維持するなかで、どこまで改革が可能かを判断して決められたものである。
こうした見解に対し山本事務局長は、「署名運動のなかで、また、われわれが実施した市民アンケート結果から、国民は、特権的なキャリア制度や天下りに厳しい批判の目を注いでいる。国民的合意にもとづく公務員制度改革を実現するため、ボタンの掛け違いは早急に直すべきだ、その旨を大臣に伝えてもらいたい」と要請、さらに、@この間の交渉経過は、常に「見切り発車」という実態だった。今後、国公法改正作業では、こうしたことが繰り返されない実質内容が伴う交渉・協議を強く要請したい、Aわれわれは、国公法改正から給与法改正作業に至るまで、内閣法第12条を盾に使用者側である行革推進事務局がすべて行うということは、現行法からみて違法性が強いと認識している、とのべ、推進事務局の姿勢に注文をつけた。
ついで、今後の作業スケジュールについて質したのに対し、推進事務局からは、「『相応の措置』の内容については、できるだけ早く提示し、交渉・協議を行えるようにしたい。その段階を経たうえで、国公法の改正内容について十分な交渉・協議に入るようにしたいと考えている」との見解が示された。
以上のやりとりの後、ILO提訴に関わる政府見解の取りまとめ状況を質すとともに、「国際シンポジウム」に参加のため来日する国際労働団体の代表団による石原大臣への要請が9月24日に実現するよう求め、交渉を終えた。
以上