みんなの力で労働基本権確立と民主的公務員制度改革を実現しよう

労働基本権確立・公務員制度改革

対策本部ニュース

No.122 2002年11月25日

連合官公部門連絡会


各県上京団による地元議員要請行動がスタート
ILO勧告を全面実施し「大綱」の撤回へ理解と協力求める

 各県上京団による民主的な公務員制度改革を求める議員要請行動が11月25日から29日の日程で始まった。地元選出の与野党国会議員に直接会い、@ILO勧告を全面的に実施し「公務員制度改革大綱」を撤回して、ILO基準に沿った公務員制度に改革すること、Aキャリア官僚制度を廃止し、天下りを全面的な禁止すること、などについて、理解と協力を得るため実施しているもの。
 初日の25日は、青森・福島・鳥取・島根・広島・山口・香川・徳島・高知・愛媛・宮崎の11県から、地方連合会の会長をはじめ各県の官公部門構成組織の代表ら65人が上京し、関係議員への要請行動に取り組んだ。
 要請行動に先立ち、午後1時から都道府県会館で意思統一集会を開催した。集会では、丸山「対策本部」本部長が上京団にあいさつ、そのなかで、日本政府に「労働基本権の制約維持」の再検討を求めたILO勧告を高く評価した。そのうえで、「本日を契機に上京団による議員要請行動をやり遂げ、11.29中央行動へとつなげ、さらに来年の通常国会を最大の焦点におき、腹を据えて運動を進めたい」とのべ、労働基本権の確立にむけ、強い決意で運動を進める考えを示した。また、公務員の労働基本権の確立の必要性について、@現行制度が憲法と国際労働基準に反している、A「大綱」が人事院の機能を形骸化し内閣・各府省の権限のみを強めようとしている、B能力主義の新給与制度の前提としての評価制度の仕組みを交渉で決められない、C人事院のマイナス勧告にみられるように、代償措置が形骸化している、D公務の公平で効率的な運営には、近代的な労使関係の確立が必要である、と指摘した。 
 このあと、上京団は、それぞれ地元選出の与野党議員に会い、議員への要請書(別紙)を提出して、ILOの勧告内容をはじめ公務員制度改革の現状を説明し、要求実現に尽力して頂くよう要請した。

 なお、26日以降の取り組み状況は、次の通り。
【26日】新潟・富山・長野・岐阜・静岡・愛知・三重・熊本
【27日】北海道・神奈川・山梨・石川・三重・岡山の6道県
【28日】岩手・宮城・山形・茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・東京・福井・福岡・佐賀
【29日】秋田・滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山・長崎・大分・鹿児島・沖縄
   ※三重県の場合は、26、27の両日



【別紙】

2002年11月25日

      様

日本労働組合総連合会 
会  長 笹森  清
連合官公部門連絡会  
代表委員 北岡 勝征
代表委員 榊原 長一
代表委員 石川 正幸
代表委員 橋爪利昭紀
代表委員 丸山 建藏


ILO勧告を全面実施し「公務員制度改革大綱」の撤回と
公正・透明で民主的な公務員制度改革を求める要請書


 日頃より、私どもの運動にご指導ご鞭撻を頂き心から感謝申し上げます。
 私どもは、政府の「公務員制度改革大綱」が国際労働基準に違反しているとして、ILOに提訴しました。これに対しILOは11月21日の理事会で、日本政府に対し、「公務員の労働基本権の制約を維持するとの公表した意図を再検討すべきである」として、公務員制度をILOの基準に沿ったものに改革するよう勧告を行っています。
 私どもは、政府がこの勧告を全面的に受け入れ、「大綱」を撤回してILO条約に則った公務員制度改革を行うことを表明し、労働基本権を保障した公務員制度改革に向けて私どもと協議を開始するよう求めています。
 こうした私どもの考えにご理解頂き、下記要求事項の実現に向けご尽力を頂きますようお願い申し上げます。



(1) ILO勧告を全面的に受け入れ、公務員の労働基本権を保障した対等・平等な労使関係制度を確立すること。
(2) ILO条約違反の「公務員制度改革大綱」を撤回し、国民と労働組合が参加した公正・透明な公務員制度改革を行うこと。
(3) キャリア官僚制度を廃止するとともに、政・官・業ゆ着を助長させる「天下り」を全面的に禁止すること。

以上