民主・自由・社民の3野党と連合は12月15日、6日間の日程でILOに合同調査団を派遣した。11月のILO理事会で、日本の公務員制度改革案件(2177号事件)に対する結社の自由委員会の「報告書」が採択されたことを受け、ILO本部の担当者らから今回の勧告の背景・内容について、直接事情を聴取する。
調査団には、民主党から山元勉衆議院議員(調査団長)・島聡衆議院議員・池口修次参議院議員、自由党から中塚一宏衆議院議員・大江康弘参議院議員、社民党から日森ふみひろ衆議院議員・又市征治参議院議員の7議員、連合官公部門対策本部から岩岬事務局次長、連合から大久保国際政策局部長が参加した。
調査団は、ダン・クニアICFTU(国際自由労連)ジュネーブ事務所長、ジャン=クロード・ジャビリエILO国際労働基準局長、ベルナール・ジェルニゴンILO結社の自由部長、ハンス・エンゲルベルツPSI(国際公務労連)書記長らと面談し事情聴取する。
今回のILO勧告は、現行の公務員制度がILO87号・98号条約に違反していることを明確に指摘し、日本政府に対し「公務員の労働基本権の現行の制約を維持するという、その公表した意図を見直すべきである」として、公務員制度をILO基準に沿ったものに改革するよう強く求めている。この勧告に対し日本政府は、「日本の実情の理解に欠け、承服しがたい」「まだ中間報告で今後の慎重な検討を期待する」などと述べて、勧告を無視する意向を示している。
こうしたことから、3野党と連合は、次期通常国会を見据え、政府の姿勢を厳しく追及するためILOに調査団を派遣し、合同で現地調査を実施することにしたものである。
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