「対策本部」正副本部長らは、16日午後3時過ぎから、公務員制度改革に関わるILO勧告についての総務大臣申入れを行った。冒頭、丸山対策本部長から別紙の申入書を片山総務大臣に手交するとともに、「ILOは11月21日の理事会で、日本政府に対し勧告を行った。その趣旨は、第1に、労働基本権を引き続き制約するとした政府の公務員制度改革自身を問題にしたものであり、第2に、現行の公務員制度も運用も含め、ILO条約に適合したものとすべく、すべての関係者と協議を直ちに実施するよう日本政府に求めたものだ。第1の課題は、内閣官房の行革推進事務局が第三者機関の人事院を横において進めているものであり、第2の課題は、総務省が所管している。両者で十分話し合って、われわれとの協議をしていくべきである」と発言した。
これに対し片山総務大臣は、「勧告の内容は今までよりも厳しい内容となっているようだ。総務省としては、日本の実情をよく説明してまいりたい。公務員制度改革について、総務省として意見を申し上げる時期に来ているかもしれない。行革担当大臣には、私の方からもよく一度話をしてみたい」と応じた。
最後に丸山本部長から、「ILOの次期理事会は来年3月と聞いている。その頃には、いい回答が得られることを期待している」として、本日の申入れを終えた。
<別紙>
2002年12月16日
総務大臣
片山 虎之助 殿
日本労働組合総連合会
会 長 笹森 清
連合官公部門連絡会
代表委員 北岡 勝征
代表委員 榊原 長一
代表委員 石川 正幸
代表委員 橋爪利昭紀
代表委員 丸山 建藏
ILO勧告を受け入れ労働基本権を確立した民主的な公務員制度改革を求める申入書
日頃より、わたしどもにご指導ご鞭撻を頂き心から感謝申し上げます。
私どもは、本年2月に、政府の「公務員制度改革大綱」が国際労働基準に違反しているとして、ILOに提訴しました。これに対しILOは11月21日の理事会で、日本政府に対し、「公務員の労働基本権の制約を維持するとの公表した意図を再検討すべきである」として「大綱」を見直し、公務員制度をILO条約に適合したものとすべく「すべての関係者と全面的で率直かつ有意義な協議」を直ちに実施するよう勧告を行いました。
わたしどもは、政府がこの勧告を全面的に受け入れ、その実現に向けてわたしどもと直ちに協議を開始し、その中で、公務員労働者に労働基本権を確立する方向での改革案を、次期ILO理事会の開催時期までにとりまとめるべきものと考えます。
以上のことから、下記事項の実現に向けて最大限の努力を払われるよう強く申し入れます。
記
1.ILO勧告を全面的に受け入れ、「公務員制度改革大綱」を見直して、次期ILO理事会の開催時期までに、公務員労働者に労働基本権を確立する方向での改革案をとりまとめること。
2.上記国際労働基準に沿った公務員制度改革案取りまとめのため、労使協議の場を直ちに設けること。
以上