みんなの力で、労働基本権の確立と民主的な公務員制度改革を実現しよう

労働基本権確立・公務員制度改革

対策本部ニュース

No.94 2002年6月7日

連合官公部門連絡会


連合官公部門が6.7中央行動実施
請願署名第1次集約分372万筆を国会に提出

 連合官公部門連絡会は6月7日、中央行動を実施し、当日までに集められた「透明で民主的な公務員制度改革を求める請願署名」の第1次集約分3,723,617筆の署名簿を、民主・社民・自由各党紹介議員を介して衆参両院に提出した。午後6時からは、連合との共催による「透明で民主的な公務員制度改革を求める6.7中央集会」を社会文化会館ホールで開催し、官公部門の組合員約1,000人が会場を埋めた。参加者は、集めた署名簿の束を手に国会請願デモを行った。

【署名提出行動】
民主・社民・自由各党238人の紹介議員に署名簿を託す

 中央集会に先立ち、午後3時過ぎから紹介議員への署名提出行動が取り組まれた。社会文化会館の集約会場には、各構成組織で集めた5,000筆の署名用紙(1,000枚)の束が続々と持ち込まれた。
 署名提出の事前打ち合わせには、500人の組合員が参加した。打ち合わせ後、参加者は衆参両院の各議員会館に移動、2人1組で紹介議員の民主・社民・自由各党238人の事務所を訪ね、署名簿を提出した。応対した各議員に対して請願の趣旨を説明し、重ねて理解と協力を要請した。

【透明で民主的な公務員制度改革を求める6.7中央集会】
1千万署名の達成に向け、職場・地域から総力あげた取組み確認

 「370万人を超えた!」。請願署名の第1次集約分が発表されると、中央集会の参加者の間でどーっと大きな拍手が起き、1千万を目標とする署名運動への「現段階の到達点」が確認された。
 集会は萩原美明・国税労組書記長を議長に選出。主催者を代表して、ジュネーブでのILO総会対策から帰国したばかりの草野忠義連合事務局長が「現在、第90回総会の会期中で、条約勧告適用委員会では日本案件が団体交渉権の98号条約関係で近く審議される」と報告し、国民的なキャンペーン、署名運動とILO提訴を背景に「連合も最重要課題として取り組み」対政府追及を強める決意を明らかにした。また、連合官公部門連絡会対策本部を代表して都市交の松島稔委員長が挨拶、「運動が着実に広がってきた」とし、組織内の点検と運動の一層の積み上げを呼びかけた。
 このあと、民主、社民、自由の3党代表から、激励の挨拶を受けた。民主党の野田佳彦・公務員制度対策本部事務局長は「限られた人たちによる閉鎖的な『大綱』決定という制度改革に対抗し、民主党は連合としっかり連携して改革案をつくり、国会の各委員会で政府と渡り合う」と強調。社民党の中西績介副党首と自由党の広野ただし政調副会長も、それぞれ「地域での共闘体制を拡大して」「民間との協力による日本の屋台骨づくりの立場から」公務員制度改革に、連合・連合官公部門連絡会と連携して取り組む姿勢を明らかにした。
 連合官公部門対策本部の宮入晃副事務局長が経過と今後の取り組みについて提起した。そのなかで公務員制度改革キャンペーンと署名運動にふれて、「きょうの15時現在」での第1次集約として請願署名3,723,617人、職場決議が15,125件寄せられたと報告し、「今後も気を緩めずに1千万署名とキャンペーンの運動に向かいたい」と語った。そのうえで、当面の方針について、6月29、30日の全国統一キャンペーン行動を柱に国民的な運動の拡大を図ることを参加者に提起。また、国際労働組織とともに共同提訴したILO対策では、11月に結社の自由委員会ではっきりとした結論を得るため引き続き全力を傾け、9月には国内で国際シンポジウムを開催する考えを明らかにした。対策本部の報告と提起は、大きな拍手で確認された。
 集会は最後に、国公総連の笹岡朱美・女性協議会幹事が読み上げた別紙アピールを採択、榊原長一・連合会長代行(官公部門連絡会副対策本部長、日教組委員長)の音頭で、「団結がんばろう」を三呼して集会を閉じた。
 参加者は参議院と衆議院の議員面会所前をとおり日比谷公園に至る請願デモに移り、「『大綱』の撤回と、労働基本権の確立、民主的な公務員制度改革の実現」を強く訴えた。両院の議員面会所では、民主、社民両党議員が応対して、請願署名簿の一部を連合官公部門連絡会代表から受け取り、デモ参加者とエールを交換した。



ア ピ ー ル


 政府の「公務員制度改革大綱」の撤回と、透明で民主的な公務員制度改革を求め、われわれは、いま、国会における追及、ILOへの共同提訴とILO総会対策、1千万請願署名運動など、あらゆる取り組みに全力を注いでいます。
 ILO提訴に関しては、11月の結社の自由委員会審議を照準に、開会中の第90回総会に連合・連合官公部門の代表団を派遣し、対策に万全を期しています。その結果、条約勧告適用委員会で98号条約に関わる日本案件の審査が決まり、現在、その有利な議長報告をめざして、さらに取り組みを進めています。
 署名運動では、第1次集約分として372万筆を集め、本日、民主・社民・自由各党の238人にのぼる国会議員を介して、衆参両院に提出しました。連合官公部門に参加する組合員の総力をあげた取り組みと、地方連合会及び連合民間組合の連帯・協力のたまものです。また、構成組織の職場決議は、本日までに15,125件寄せられており、職場の怒りの声として、政府に提出します。
 政府の行革推進事務局は、4月末に「人事制度の2次原案」を提示するなど、来年の通常国会への国家公務員法・地方公務員法改正案の提出に向け、作業を進めています。
 しかし、労働組合との十分な交渉・協議もないまま、与党の特定政治家と霞ヶ関の一部キャリア官僚が密室作業ででっち上げた「大綱」は、大きなほころびをみせてきています。民間の有識者による「21世紀臨調」は、「緊急提言」を発表し、「キャリア・システムの廃止、閣僚による天下り承認制の見直し」など、「大綱」の見直しを小泉総理に申し入れています。日本行政学会も、「開かれた議論のないままの決定」に異議をとなえています。
 このことは、総力をあげて取り組んでいる、「大綱」の撤回を求めるわれわれの運動が、着実に国民的な広がりを持ちつつあることを証明しています。
 これまでの取り組みの成果を足がかりに、自らが公共サービスの担い手として自己改革することを通じて、「変えよう信頼できる行政に」の統一キャンペーン行動をさらに強め、推進する必要があります。
 いま一度、組織内の取り組みをしっかり点検するとともに、世論を喚起し、広く国民の支持を得るため、職場から地域へと署名運動を発展させましょう。
 6月29,30日の全国統一キャンペーン行動を成功させましょう。
 「大綱」の撤回と民主的な公務員制度の実現をめざして、1千万署名の達成に総力をあげようではありませんか。

2002年6月7日

連合・連合官公部門連絡会
透明で民主的な公務員制度改革を求める6.7中央集会


ILO第90回総会・条約適用勧告委員会で日本案件が再び個別審査に


 開催中のILO第90回総会・条約勧告適用委員会で、昨年の87号条約問題に引き続き、再び日本政府が進める公務員制度改革が、98号条約に関わる日本案件として個別審査されることが決まった。5日(現地時間)の条約勧告適用委員会労働側グループ会議での確認を踏まえ、同委員会の政・労・使による全体会議で決定したもので、来週(6月第3週)前半にも、審査される見通しとなった。
 3日に現地(ジュネーブ)に入り、ILO総会対策に取り組んでいる連合官公部門の代表団は、日本案件の個別審査に関して労働側に有利な議長集約が行われるよう、引き続き対策を進めている。
代表団は、4日から5日にかけて、ILOへの共同提訴団体であるPSI(国際公務労連)、UNI(ユニオンネットワークインターナショナル)、EI(教育インターナショナル)など国際労働団体を訪問した。エンゲルベルツPSI書記長らに会って共同提訴への謝辞をのべ、公務員制度改革の現状を報告するとともに、9月に日本で開催する「シンポジウム」への招待状を渡して参加を要請した。

香川で連合官公部門連絡会を立ち上げ、3日に学習会開催

 香川県の署名推進委員会は6月3日、連合香川と共催で「民主的な公務員制度改革実現連合香川6・3学習会」を行った。連合官公部門「対策本部」の岩岬事務局次長から「公務員制度改革をめぐる現状と取り組みの課題」ということで、公務員制度改革をめぐる現状と問題点、取り組みの課題について講演を受けた。なかでも1千万人署名を何としても成功させること、国会での追及、ILOの活用、引き続いての行革推進事務局と交渉・協議をすることを確認する学習会となった。参加者は全体で180人。そのうちの3分の1が民間労組からの参加で、共闘運動に広がりがでてきた。
 香川では、5月7日、連合官公部門8単産が「連合香川官公部門連絡会」を発足させた。続いての13日、連合香川の組織内に官公部門が中心となって「署名推進委員会」を発足させ、連合香川全体で「民主的な公務員制度改革を求める署名」に取り組むことを決定した。そして、推進委員会は5月21〜23日にかけて連合香川傘下全単組に署名要請オルグを行った。
 今後は、引き続き署名運動を全力で行い、全国統一キヤンペーン行動日の6月30日には、高松市の田町東宝前と三越前で、街頭演説と街頭署名活動を展開することにしている。

以上