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労働基本権確立・公務員制度改革

対策本部ニュース

No.130 2003年2月14日

連合官公部門連絡会


衆議院予算委員会で島聡委員(民主党)がILO勧告で政府の姿勢追及
「組合との交渉・協議なしに改正法案を国会提出するな」と追及、
政府はILO条約の解釈の違い強調、3月にも情報提供の意向示す

 2月13日の衆議院予算委員会で、民主党の島聡委員が政府が進めている公務員制度改革に関して質問に立った。島委員は、先の3野党合同調査団の一員としてジュネーブに出向きILO関係者に事情聴取しており、その調査結果を踏まえ、ILO勧告を受け入れるよう求めた。そして、当該労働組合との交渉・協議が整わないまま、国公法等の改正法案を国会に提出すべきでない、と釘を刺した。質疑では、まず、ILO勧告に対する政府の対応について、@総務省見解で「勧告は従来の見解を変えており承服しがたい」「政府方針を再考すべきとしたのは不適切」とした点、A勧告に対する日本政府の情報提供時期、B国際条約の遵守義務、などについて質した。
 これに対し、各大臣からは、次のような答弁があった。
@ 「中間報告」は、従来のILOの見解と異なっている。ILO87、98号条約は守られねばならないが、その解釈が違ってきているので、日本政府の立場をきちんと説明していく必要がある。たとえば、代償措置の問題や消防職員の団結権などで従来は日本政府の立場を認めていた。公務員制度改革も、まだ中身が決まったわけではない。改正法案もできていない段階で、大綱をもとに判断するのはおかしい。(片山総務大臣)
A 国際条約は守らねばならないが、今回の勧告は結社の自由委員会という理事会の付属組織の報告に基づいたものであり、最終報告に向け、関係府省と連携し正しい理解が得られるよう働き掛けてくことが大事と考えている。(川口外務大臣)
B ILOには、公務員制度改革の進展状況について、法案骨子などの情報と、国公法改正法案の写しをおくり、日本の立場を理解して貰うようにしたい。(石原行革担当大臣)
C ILOは従来の見解を変えてきていると考えており、なぜ変えたのか問い質し、日本政府の立場を理解してもらうようにしたい。(坂口厚生労働大臣)
 こうした見解表明を受け、島委員は、3月6〜7日開催のILO結社の自由委員会に、日本政府としての見解を含め情報提供すべきだ、と迫った。
 これに対し、政府側からは、「中間報告に対しては、政府の統一見解をまとめて、効果のあるタイミングをみてILOに提出したい。現在、とりまとめに向け関係各府省で協議している」(片山大臣)、「3月上旬がタイミングの時期なら、それに合わせ精力的にやっていきたい」(坂口大臣)として、結社の自由委員会に合わせ日本の立場を説明していく意向が示された。
 このほか、大綱で提起されたT種採用試験合格者枠が4倍に拡大される問題で政府と人事院の見解が異なる問題や、能力給の導入についてもその問題点を追及した。

 なお、連合官公部門「対策本部」は、2回目の傍聴行動に取り組み、構成組織から18人参加した。質疑終了後、島衆議院議員が駆けつけ、「政府答弁は納得できないが、3月のILO結社の自由委員会に向けて情報を提供する見解を引き出せたのは、よかった。国会でさらに政府を追及し、ILO勧告の受け入れを求めていく」との決意を語った。

以上