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労働基本権確立・公務員制度改革

対策本部ニュース

No.141 2003年4月3日

連合官公部門連絡会


連合・連合官公部門の要請に応え3野党幹事長が官房長官に申入れ−4/3
官房長官「十分協議し、納得の上決めたい」

 民主・自由・社民の3野党幹事長らが3日、午後3時から首相官邸で福田官房長官と会い、民主的で透明な公務員制度改革を求める申入れ(別紙)を行った。この申入れは、昨日、一昨日にかけて連合と連合官公部門が野党3党に対して緊急に要請(対策本部ニュース139、140参照)し、3野党としてそれに応え実施されたもの。
 申入れには、@民主党:岡田克也幹事長、川端達夫公務員制度問題対策本部長、A自由党:藤井裕久幹事長、山岡賢次政治行政改革推進本部長、B社民党:福島瑞穂幹事長、中西績介公務員問題対策特別委員長が出席した。
 申入れでのやりとり(発言要旨)は以下の通り。

【発言要旨】
(民主・岡田幹事長)
 本日は、「民主的で透明な公務員制度改革を求める申入れ」を行うために伺った。
 関係者との十分な交渉・協議のないまま、3月28日に法案を各省に提示しているようだが、極めて遺憾である。
 ILO勧告が出されている事実は、重大だと考えている。
(福田官房長官)
 もちろん、十分な協議をした上で、納得をしていただいて決めたいと思っている。
(民主・岡田幹事長)
 法案のかたちで一旦出されると、なかなか難しい。我々の意見も聞いて欲しい。
(福田官房長官)
 職員団体とはいろいろと話している。それはそれとして、詰めなければいけないところもたくさんある。
(民主・岡田幹事長)
 党利党略ではなく、国の根幹にかかわる問題であるので、連合や関係団体の意見を聞くべき。我々も何度でも伺う。
(自由・山岡本部長)
 申入れ文書に「重大な決意」とあるが、野党国対委員長会議で、もしこのまま提案されたら、重大な決意で臨むことを確認している。これは文言だけではないことを申し上げる。
 関係者と協議する、とのことだが、実体ではなく形式的な協議ばかり。実体の協議を行って欲しい。
 また、「よその機関が言っていること」という発言など、ILO自体に対する認識が間違っているのではないか。
(自由・藤井幹事長)
 WTO等の経済問題は国際基準にしたがっていながら、労働問題だけ日本は各国と違う道を歩んでいる。軽視しているのは問題だ。
(福田官房長官)
 日本の公務員制度は、これまでは今のままでOKだった。今回、初めておかしいという指摘がなされた。この指摘に対して、政府は説明している最中である。
(社民・福島幹事長)
 ILOの勧告は真っ当なものであり、国際的なスタンダード。ひどい法案を出してくるのは問題だ。
(民主・川端本部長)
 野党3党でILO調査団を派遣したが、ILOはわが国の公務員制度を、精緻にご存知であると聞いている。
 真摯に協議して進めていきたい、との話がありながら、3月28日に内々に各省に流れているのは、ちょっとおかしいのではないか、ということが、本日申入れにきた理由である。
(福田官房長官)
 その点は、大事なところ。よく話し合う。
 現行の制度で、ILOはOKであり、今まで何も言ってこなかった。よき慣行として採用してきたと思う。
 納得の得られるよう、十分話し合いをしていかなければならないと思う。
(社民・中西委員長)
 人事院の権限を縮小し、使用者側の権限を強化する方向は問題がある。
(自由・山岡本部長)
 大綱は大綱で法案にしてしまって、問題あるところは別の方法で検討する、という分けるかたちは、絶対にやめてもらいたい。
(岡田幹事長)
 重要な問題なのでよろしく。
(福田官房長官)
 極めて重要な問題だと認識している。
 重要なご忠告ありがとう。


<別紙>

2003年4月3日


内閣総理大臣
 小泉 純一郎 殿


民主的で透明な公務員制度改革を求める申し入れ



民 主 党  岡田 克也
自 由 党  藤井 裕久
社会民主党  福島 瑞穂



 政府は、一昨年12月に閣議決定した「公務員制度改革大綱」に基づく関連法案を今国会に提出する構えを見せています。国会において、小泉総理は関係者と誠実に交渉・協議を行いながら公務員法等の検討を進める旨の発言をしています。しかしながら、側聞するところでは、政府行革推進事務局は3月28日、関係者との十分な交渉・協議のないまま、非公式に関連法案を各省庁に提示し、法案の閣議決定を急いでいるとのことですが、これが事実であれば極めて遺憾なことであります。

昨年11月にはILO(国際労働機関)が、日本政府の案は「労働基本権を制約」したもので国際労働基準に反しているから、内容を見直すべきであるとの厳しい改善勧告を行っています。
 我々野党3党は、一昨年来、民主的で透明な公務員制度改革を行うよう、再三政府に申し入れてきました。しかし、政府は我々の主張を一顧だにしていません。

 仮に政府が、このまま十分な協議なしに法案作成を進めたり、ILO勧告を無視したまま関連法案の閣議決定を強行することがあれば、野党3党一致結束して、国会審議に重大な決意をもって臨まざるを得ません。

 したがって、政府は、ILO勧告を最大限尊重し、公務員制度改革関連法案の閣議決定や国会提出にあたっては、関係者との十分な交渉協議、合意を得るものとするよう、強く申し入れます。

以上