連合・連合官公部門は、4月16日午後5時すぎから、首相官邸で福田官房長官に会い、「協議の場」の設置問題で交渉した。連合から草野事務局長、村上副事務局長、中嶋総合国際局長、連合官公部門対策本部から丸山本部長、北岡副本部長、山本事務局長が参加。政府側からは、伏屋内閣官房副長官補、青木厚生労働省審議官、春田内閣審議官が同席した。
冒頭、草野事務局長から2月24日の会談の際、官房長官が検討を約束していた「協議の場」の設置について、検討結果を質した。
これに対し、福田官房長官は、「協議は重要である。具体的なものにしたいが与党とも相談しなければならない」として、「今すぐの回答とならないので、もう少し時間も欲しい」との見解を述べた。草野事務局長は、「水面下で事態が急ピッチで進むということでは認められない。実効性が大事だ。連合としては、細部を詰めているわけではないが、例えば政労使雇用対策会議といった協議機関も参考になる」と具体的イメージの例を示し、意見交換を行った。
福田官房長官は、「皆さんとよく相談してやりますので」と応じ、連合側は、回答のボールは官房長官側にあることを確認し、できるだけ早く内容のある回答を求めるとの立場を表明した。
次いで、丸山対策本部本部長から、連合官公部門の構成組織から寄せられた32,895か所にのぼる職場決議のうち各構成組織の代表職場分を福田官房長官に手渡し、職場決議にある@関連法案の一方的な閣議決定反対、A労働組合との交渉・協議、合意に基づく制度改革、BILO勧告を受け入れ労働基本権を確立した制度改革、の実現を求めた。
これに対し、官房長官は、「(一方的な閣議決定などは)しない」と説明の途中で応じた。
組合側は、「国際労働基準を満たし、憲法に保障された労働者の権利を認め、後世の批判に耐えうる制度改革とすべきだ」とし、そのため、高い次元での政策政治判断を求めた。
福田官房長官は、「話の趣旨はよく分かる。ILOに対しても政府として追加情報を出した。正確な情報、事実に基づいて判断を望む」「制度改革についても民主的に決める。それも話し合いによって決めるのが基本だ。ただ、改革案を全部ひっくり返すことではない。良いものは残し遅れたものは変えると言うことだ」と応じた。
組合側は、「一般論として良きものは残し、時代遅れのものは変えるというのは当然だ」として、筋を通した政治的決断を改めて求めた。最後に、草野事務局長は、「ILOの見解が変わったというような事実認識は改めるべきである」と付言し、この日の交渉を終えた。
連合・連合官公部門による官房長官交渉に先立ち、トロットマンILO理事労働側グループ議長は、16日午後5時から首相官邸で福田官房長官に会い、労働側理事33人全員の書簡(別紙1)を提出して、ILO勧告を直ちに受け入れ、全面的に実施するよう要請した。15日に来日したトロットマン理事は、坂口厚生労働大臣、石原行革担当大臣(15日)、中島人事院総裁、岡田民主党幹事長(16日)らにも同趣旨の要請を行った。また、「法案の閣議決定強行阻止」を目標とした4.16中央集会にも参加し、連帯のあいさつを行った。
冒頭、草野事務局長から、トロットマンILO労働側理事グループ議長を紹介し、連合として公務員制度改革に対する姿勢を述べた。
次いでトロットマン理事が、ILO労働側理事全員の総意を代表しての訪日目的を述べ、福田官房長官に対して、@ILO勧告の内容、とりわけ労働基本権を制約するとの政策を再考すること、A労働組合との全面的、率直で有意義な協議を行うこと、を求めた労働側理事33人の個人署名を付した書簡を手交した。そのうえで、「ILO労働側理事としては、先進国である日本は、十分国内で解決する能力があると思うし、そうなることを強く希望する。しかし、誠意ある対応がなされなければ国際問題として全世界に面目を失うこととなる」と述べ、ILO勧告を全面的に受け入れた公務員制度改革を行うよう強く求めた。
これに対し官房長官は、「日本政府としてはILOを尊重してきたし誠実に対応してきたと自負している。日本の現行制度は国民の間にも定着している。昨年11月のILO勧告については、これまで認められてきたシステムが、急に条約違反だと言われたような印象を持っている。制度改革を進めているが、私自身も連合と再三お会いしているし、担当大臣も話し合いを始めたところである。ILO全体として現状を慎重に見守って欲しい。今後もILOと対話し、相互理解につながることを期待している」との見解を示した。
その後の意見交換を締めくくって、トロットマン理事は、「労働組合との協議を行い、合意に基づく改革がなにより大切である。国際労働基準を満たした制度を確立し、世界とりわけアジア諸国の良き規範となって欲しい」と訴えた。官房長官は、「意向を踏まえて対応したい。いずれにしても十分な議論をしたい」と答えた。
(別紙1)
2003年3月25日
日本国首相 小泉純一郎 殿
日本における公務員の労働基本権について:ILO労働側理事からの書簡
国際労働運動は日本における公務員の労働基本権問題を、とりわけ連合と連合官公部門連絡会が2002年2月26日にILO結社の自由委員会に提訴(2177号案件)して以来、特段の注意を持って見守ってまいりました。
全世界の労働組合はILO理事会が2002年11月に採択した結社の自由委員会第329次報告にある2177号案件の結論と勧告を高く評価するものであります。この報告の中で貴政府はとりわけ
・現行の公務員の労働基本権制約を維持するとのその公表した意図を再考すること、
・結社の自由委員会が現行の公務員制度について結社の自由の原則に違反するとした6点について、関係労働組合と全面的で率直かつ有意義な協議を持つこと、
の2点を要請されております。
われわれはこの結論と勧告を正当かつ真っ当なものであると考えております。結社の自由の原則は普遍的価値を持つものであり、国連を含む国際社会により築き上げられ認証されているものであります。全世界において例外なく適用されるべきものであり、ましてや日本のように経済社会基盤が十分に発展している国においては言わずもがなであります。
日本は世界において指導的立場に立つ国のひとつであり、世界経済に対して大きな影響力を有しています。ILOにおいても同様に、第2番目の加盟費支払国であります。発展途上諸国、とりわけアジア諸国は、経済発展のための枠組のみならず社会システムの構築に関しても貴国を範としています。現在貴政府が実施中の公務員制度改革が他国にゆゆしき影響を与えること、したがって全世界の注視の下にあることをご理解いただきますようお願いいたします。
貴国が長年に亘り結社の自由委員会から出された数多くの勧告を実施せずに来ていることを国際労働運動は懸念しております。日本には、政治的にも経済的にもまた社会的にも、第2177号案件に関する結社の自由委員会の勧告を実施するに当たって困難はありません。にもかかわらず貴政府は現在のところ、実施するという政治的意志を表明していらっしゃいません。発展途上国を初めとして数多くの国が、貴政府の態度を口実として、同じことをするようになるのではないかと危惧しております。
ILO理事として、あるいは国際労働組合組織の代表として、ここに貴政府に対し、結社の自由委員会の勧告を直ちに受け入れ全面的に実施することを要請いたします。貴国の迅速かつ適切な対応を全世界の労働者は歓迎することでありましょう。
敬具
(署名:ILO労働側理事)
L.トロットマン (バルバドス)
H.アンダーソン (メキシコ)
W.ブレット (英国)
G.アッティベ (ベニン)
S.バロー (オーストラリア)
L.バスネット (ネパール)
バイヤーズ (カナダ)
M.ブロンデル (フランス)
U.エドストローム (スウェーデン)
C.ブリーギ (イタリア)
U.エンゲレン=ケーファー (ドイツ)
B.カナク (ユーゴスラビア)
伊藤祐禎 (日本)
R.デーア (アルゼンチン)
K.ヤコブセン (ブラジル)
M.デ・ヴィツ (ベルギー)
B.マハン・ガエ (コート・ジボワール)
G.ゴーセン (レバノン)
A.オシモレ (ナイジェリア)
カタレイ・ムレリ (コンゴ)
Z.ランパック (マレーシア)
C.パンデーニ (ナミビア)
A.シディ・サイード (アルジェリア)
E.パテル (南アフリカ)
E.シドロフ (ロシア)
B.スワイ (タンザニア)
J.ウルビエタ (ベネズエラ)
T.ウォジッチ (ポーランド)
J.ゼールホッファー (米国)
徐錫澄 (中国)
N.アディアンタヤ (インド)
H.ヤコブ (シンガポール)
K.アーメッド (パキスタン)
連合と連合官公部門連絡会は、4月16日、公務員制度改革関連法案の閣議決定強行阻止などを目標に中央行動を実施した。行革推進事務局が関連法案の非公式協議を各省と始めるなど、閣議決定に向けたカウントダウンが始まったことをうけての行動で、午後3時から社会文化会館で中央集会を開催、集会終了後、国会議員への要請行動に取り組んだ。
中央集会は、民間の仲間を含め1千人が参加した。目標は、@法案の一方的な閣議決定阻止、A政府によるILO勧告の受け入れと、労働基本権の確立、B特権的キャリア制度の廃止、天下り禁止の実現、の3点。榊原連合官公部門対策本部副本部長(連合会長代行)が集会の議長に就いて進められた。
はじめに、主催者あいさつで笹森連合会長(連合対策本部長)は「いま、行革推進事務局は一番肝心な労働基本権問題を欠落させたまま法案化を急いでおり、たいへん重要な局面にきている。労働基本権の代償措置である人事院制度を変えるのなら、労働基本権の確立は一番重要な問題にならなければならない。推進事務局の検討どおりに進めば、交渉・協約締結権もなく、抗議の手段をもたないまま労働条件が決められることになる。こんなことはあってはならない。さらに国民的立場で許しがたいのは、キャリア制度や天下りの問題を葬り去ろうとしていることだ。これらの問題について連合として断固たる姿勢で闘いを貫こうという確認をして今日の集会を持った。これからあらゆる手だてを講じながら、労働基本権を確立させ、国民の期待に応える公務員制度に改革する闘いをさらに強力に進める。私たちの基本的な要求はただひとつ。それは労働基本権を絶対的に勝ち取り、法案の中に明記をさせることだ。労働基本権の確立が入っていない公務員制度の改革は認められないということを、国民に理解していただく活動を展開していきたい。公務員の労働基本権の問題は、日本全体の働く人たちの労働条件に影響を及ぼす問題だ。ILO勧告を糧にして、先進国の一員として、世界に恥じない労働基本権を確立した公務員制度の改革に向けて最後まで頑張り抜く」と決意を述べた。
ついで、 民主党・自由党・社民党から次のような連帯の挨拶を受けた。
<川端達夫民主党公務員制度問題対策本部長>
国会審議、官邸への申入れでILO勧告への対応など政府の姿勢を追及している。事態は公務員の権利を一層剥奪する方向に向かっている。働く者の権利が悪化する法案を閣議決定させてはならない。ILO勧告は日本政府の出した資料をもとに検討した結論で、政府のいう「誤解」などではない。引き続き国会内外の取り組みを進め、実のある公務員制度改革を勝ち取っていこう。
<山岡賢次自由党政治・行政改革推進本部長>
公務員制度改革は重大な問題と認識している。キャリア官僚支配、天下り制度、それに乗っかった自民党政治を変えることが明日の日本をよくすることに通じる。自由党は、今のままの進展なら民主党・社民党と連携して国会審議に「重大な決意」をもって臨むことを決めた。最後まで皆さんと断固としてたたかうことをお誓いしたい。
<福島瑞穂社民党幹事長>
重大な局面に立ち至っていると認識している。行政府が一方的に労働条件を決めてしまうことには断固反対。三野党幹事長会談でも、この問題は最優先で取り組み、政府に変な動きがあれば重大な決意で臨むことを確認した。ILO勧告を無視した改悪は世界でも孤立化の道を歩む。まっとうな公務員制度改革ができるようがんばりたい。
日本政府に要請のため来日中のトロットマンILO労働側理事グループ議長が、万雷の拍手のなか登壇し、来日の目的と公務員の労働基本権確立の闘いについて、次のように熱っぽく訴えた。
@ 私は、ILO労働側理事33人全員が署名したメッセージを携えて28時間かけてやってきた。訴えたいことは、労働者の結社の自由の保障なしには、その国に自由と民主主義は存在しないということだ。このことを日本政府に強く言いたい。みなさんの闘いが成功をおさめるためには労働者の闘う力をつけ、使用者に働く者の要求に耳を傾けさせることが必要である。
A 日本政府はILO87号・98号条約を批准しているが、国連は、この中核的条約を人権条約とみなしている。条約を批准した国は、国際労働基準である団結権・団体交渉権を無条件で保障しなければならない。それなのに、日本政府は、労働基本権について法改正により、一層悪い方向に後退させようとしており、この点を危惧している。このことは、アジアと世界の労働者に悪い影響を及ぼすことになる。
B 集会後、労働側理事の書簡を日本政府に渡すが、要請は、労働基本権を制約したまま公務員制度改革の法改正を行うとした考えを再検討すること、制度改革にあたって、関係労働組合とフランクで全面的で有意義な協議を行うこと、の2点である。
C もしも、日本政府が勧告を無視して、労働組合との協議もないまま、制度の見直しを進めるのであれば、労働側理事としては、日本への実情調査を理事会に働きかけるようになるだろう。そうなれば、日本問題を世界に晒すことになり、日本政府は恥をかくことになる。そうならないよう、日本政府に一方的な法改正作業を中止して、労働組合と協議に入るよう要請する。
D 労働側理事は、みなさんの闘いを支援し、協力していくことを強く訴えたい。
一連のあいさつを受けて、連合官公部門対策本部の丸山本部長(連合副会長)が基調報告と決意表明を行った。丸山本部長は、運動の課題と今後の闘いについて、「政府の公務員制度改革の手続き面では、われわれとの交渉・協議、合意に基づく制度改革を求め、一方的に閣議決定を強行させないことが大事」として、今日まで閣議決定を阻んでいることを「一連の取り組みの成果」と強調。「政府の強行を許さない闘争態勢を確立しよう」と訴えた。そのうえで、政府が検討している公務員制度改革関連法案の問題点として、@労働基本権を制約したまま、人事院のもつ代償機能を低下させ、内閣・各府省使用者の権限を強めて、能力・業績による人事・給与管理を「能力等級制度」として行おうとしている、A能力等級制度は、昇任・降任基準や評価基準を定めており、明確に労働条件であるにも関わらず、これを管理運営事項としてしているのは、極めて問題である、と指摘し厳しく批判した。
集会は、最後にアピール(別紙2)を山本対策本部事務局長が提案しこれを採択、石川対策本部副本部長(連合副会長)の音頭で団結ガンバローを三唱し、締め括った。
集会後、参加者は、議員会館の各国会議員事務所を訪ね、民主的な公務員制度改革の実現を求める要請書(別紙3)を手渡して、要求実現への尽力を要請した。なお、要請事項は、@ILO勧告を受け入れ、公務員の労働基本権を確立した改革案を取りまとめること、A交渉・協議、合意を抜きにした公務員制度改革関連法案の一方的な閣議決定を行わないこと、の2点。
(別紙2)4.16中央集会アピール
アピール
透明で民主的な公務員制度改革を求める闘いは、いま、最大のヤマ場を迎えようとしている。行革推進事務局が公務員制度改革関連法案の非公式協議を各省とはじめるなど、閣議決定に向けたカウントダウンが開始されたからである。
行革推進事務局の改正案は、労働基本権の制約を維持したまま、その代償機能としての人事院の権限を弱め、内閣や各府省大臣の人事管理権限のみを強め、「能力等級制度」を実施しようとするものである。労働条件である昇任・降任基準や能力評価基準を管理運営事項として使用者が一方的に決める仕組みを提起しており、このままでは公務員の労使関係は否定され、職場は一層の無権利状態に追い込まれてしまう。その一方、特権的で閉鎖的なキャリア制度の弊害を改めようとせず、国民の批判の強い官僚の天下りについても、人事院の事前チェックをなくして任命権者の許可制とするなど、官僚のお手盛りがまかり通る仕組みとなっている。これでは、政・官・業の癒着構造は改められず、国民本位の行政は望めない。
この間、われわれの闘いは、1千万署名運動の成功、ILO勧告、野党共闘態勢の確立と対案の策定、全国街頭キャンペーン行動の推進、3万カ所を超える職場集会決議と小泉首相への緊急要請打電などによって、大きな盛り上がりをみせており、今日まで、法案の閣議決定・国会提出という政府の目論みを阻んできている。
政府は、交渉に応じる姿勢はみせているものの、ILO勧告を受け容れて、国際労働基準にそって労働基本権を確立する考えは示していない。闘いの焦点は、労働基本権問題の先送りを許さず、今回の制度改革で同時決着させることにある。われわれは、政府が一方的な閣議決定の強行を断念し、あくまで、実質の伴う交渉・協議、合意に基づく改革を進めるよう、強く求める。
われわれは、本中央集会終了後、官房長官に対し、「一方的な閣議決定反対」の職場決議を提出し、職場組合員の意思を伝えるとともに、「協議の場」の設置について回答を求めることにしている。この交渉には、ILO労働側理事33人全員の書簡を携えて、ルロイ・トロットマン労働側理事グループ議長が参加し、「ILO勧告の全面的な実施」を強く申し入れる。
いまこそ、ILO勧告を無視した公務員制度改革関連法案の一方的な閣議決定を許さず、労働基本権の確立と、透明で民主的な公務員制度改革の実現に向け、官民労働者の連帯のもと、連合官公部門構成組織のすべての組合員が総決起するよう訴える。
2003年4月16日
連合・連合官公部門連絡会
閣議決定強行阻止!!透明で民主的な公務員制度改革を求める4.16中央集会
(別紙3) 国会議員への要請書
2003年4月16日
様
連合官公部門連絡会
代表委員 北岡 勝征
代表委員 榊原 長一
代表委員 石川 正幸
代表委員 橋爪利昭紀
代表委員 丸山 建藏
ILO勧告の尊重と透明で民主的な公務員制度改革の実現を求める要請書
日頃より、私たちの運動にご理解ご協力を頂き、心から感謝申し上げます。
政府は、一昨年12月閣議決定した「公務員制度改革大綱」に基づき公務員法改正作業を進めています。その内容は国民から批判の強い天下りを緩和するとともに、内閣及び各府省の使用者権限を強化する一方で、労働基本権を大幅に制限するものとなっており、国内外から大きな批判をうけています。
ILOは、昨年11月、日本政府に対し、「公務員制度改革大綱」を見直し、公務員制度をILO条約に適合したものとすべく、法改正に向け労働組合を含む関係者との実効ある協議を直ちに実施するよう勧告を行いました。
私たちは公務員制度改革にあたって、政府がILO勧告を誠実に受け入れ、国際労働基準を満たした透明で民主的な公務員制度の実現を要求していますが、政府は、これを受け入れず「国公法・地公法」等公務員制度改革関連法案の閣議決定に向けて準備を進めています。政府は「能力等級制度」の導入を予定していますが、「能力等級制度」は給与格付けの基準であるにもかかわらず、使用者が一方的に決めることが出来るとしています。このような政府の考えは、公務員の働く者としての権利を無視したものです。
私たちは、ILO勧告を無視し、労働組合との交渉・協議、合意を抜きにした閣議決定を決して認めることはできません。
以上のことから、下記事項の実現に向け、特段のご尽力を頂きますようお願い申し上げます。
記
1.政府は、ILO勧告を全面的に受け入れ、「公務員制度改革大綱」を見直し、公務員労働者に労働基本権を確立した改革案をとりまとめること。
2.ILO勧告を踏まえ、交渉・協議、合意抜きに「国公法・地公法」等公務員制度改革関連法案の一方的な閣議決定を行わないこと。
以上