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労働基本権確立・公務員制度改革

対策本部ニュース

No.147 2003年5月12日

連合官公部門連絡会


対策本部第26回書記長会議で今後の取組みを確認
政府与党に「強行路線断念しILO勧告踏まえ合意に基づく改革」求める

 対策本部は5月8日、第26回書記長会議を開き、公務員制度改革を巡るこの間の取り組み経過のうえに立って、労働基本権問題を中心とした今後の対政府・自民党との交渉に臨むスタンスについて協議した。
 その結果、政府・与党に法案の閣議決定強行を断念させ、「ILO勧告を踏まえ、実質の伴う交渉・協議、合意に基づく改革を進める」との立場に追い込む、との基本的考えを確認した。そのため、与党から政府に対し、@「法施行と同時に労働協約締結権を付与。併せて争議権の在り方について検討」の法定化、A「公務員制度の制度設計に関する政労間の交渉・協議を重ね民主的な公務員制度の確立」を求めるよう、与党対策に全力をあげることで意思統一を図った。
 また、政府・自民党が強行路線に走ることを断念させるために、引き続き臨戦態勢を確立して、情勢の急変に対応できるよう準備を強めることにし、5月下旬から6月上旬にかけて中央行動を配置することを決めた。さらに、6月2日から開催されるILO総会の場で日本案件が取り上げられるよう連合と連携して対策に取り組むことにした。
 公務員制度改革の帰趨は、自民党行革推進本部・公務員制度改革委員会(野中広務委員長)の動向が大きなカギとなっていることから、対策本部は、連合会長・同事務局長を先頭に、連合対策本部とともに精力的に与野党対策に取り組んでいる。その結果、「労働組合との交渉・協議、合意なしの一方的な閣議決定」という強行突破路線は、今日まで阻止してきている。 
 福田官房長官は、4月24日の記者会見で、「今国会への法案提出には、組合の納得が必要」と述べ、22日の坂口厚生労働大臣の「連合との話し合いを一歩一歩つめていかないといけない。それなしに法案を提出するのは避けた方がよい」との発言と相まって、労働組合との話し合いを重視する考えを示している。また、坂口大臣は5月1日、中央メーデーでの挨拶で、ジュネーブでILO事務局長と懇談した経緯に触れ、「政府と連合がよく話し合い、その結果をILOに報告、ILOの意見を聞き、それを踏まえて政府が決定することが重要と述べてきた」と発言した(別記参照)。
 また、公明党は、「能力等級制度を導入するなら協約締結権を付与すべき」との考えをまとめ、与党協議に臨むとの方針を固めた模様である。
 会議では、こうした経過について、確認するとともに、今後の取り組みの「基本的な考え方」について次にような意思統一を図った。
@ 政府・与党が法案の閣議決定強行を断念し、「ILO勧告を踏まえ、実質の伴う交渉・協議、合意に基づく改革を進める」との立場に追い込む。
A 閣議決定へのカウントダウンが始まったとの認識に立ち、政府・自民党が強行突破路線を取ることを警戒し運動を組み立てる。
B 自民党提案の「法的裏付けなき労使協議制度・基本権問題審議会の設置」は認められない。
C 天下り・キャリア制度の改革はみられず、能力等級制度だけの公務員制度改革は欠陥法案で、法案は一から作り直すべきである。

 なお、民主・自由・社民の野党3党は、次の点を確認している。
@ 政府の閣議決定方針発動の事態には、野党として行動
A 閣議決定に合わせ「抗議声明」の発表
B 野党共同の骨太対案骨格のとりまとめ
C 国会論戦に向けた準備の確立

第74回中央メーデーにおける坂口厚生労働大臣の挨拶(ILO勧告の扱いの関する発言要旨)

 政府と連合の間には、公務員の労働基本権など未解決の問題が山積している。私は3日前、ジュネーブのILOを訪問して、ソマビア事務局長と懇談した。そのなかで、まず政府と連合をはじめとする労働側がよく話し合い、その結果をILOに報告して、ILOの意見を聞き、それをふまえて政府が意思決定することが重要で、この4段階の手順を守ることが必要、との私の意見を述べてきた。
 事務局長からは、@速やかな話し合いと合意を期待する、A小泉総理にILOを訪問してほしい、との発言もあった。

以上