「日本政府が労働組合との協議を約束」「ILO勧告の実現に努力」と強調
連合の笹森会長は6月9日(現地時間)、ジュネーブで開催中の第91回ILO総会で、連合会長として初めて演説した。そのなかで、公務員制度改革問題に関して、要旨次のように述べた。
日本政府は、ILOの諸活動において模範的な役割を担うべきと認識しています。 しかしながら、中核的労働基準の根幹に位置する結社の自由、団結権・団体交渉権保 障とその具体的な適用・実施、特に公務員の労働基本権について、政府の対応は模範 的ではありません。
わが国公務員制度は50年ぶりの大改革の最中にあります。 昨年11月、結社の自由委員会が329次報告で、私たちにとって画期的な勧告を出 しました。日本政府に対し、現行の制約を維持するという決定を見直し、法律を改正 して87、98両条約に違反している状況を正すため、十分、率直かつ意味のある協議 を政労間で行うよう具体的な項目を挙げて勧告したことはご存知の通りであります。
日本政府は、この勧告を真摯に受け止めず、公務員の労働基本権を現行より更に悪 化させる法案を準備し、国会上程を目指していましたが、今総会開始の直前、5月2 7日、小泉首相と私との政労会談が行われました。首相は労働組合との協議を行って いくことを約束しました。協議を続ける姿勢を示した首相の対応については率直に評 価したいと思います。しかし、内容的な問題解決の方向性は未だ明らかではありませ ん。結社の自由委員会勧告に沿った問題の根本的な解決には幾多の努力がなお必要で あろうと思っています。
以上