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労働基本権確立・公務員制度改革

対策本部ニュース

No.156 2003年7月3日

連合官公部門連絡会


対策本部が堀江行革推進事務局長と交渉
国公法改正法案等の非公式各省協議に強く抗議、中止求める

 対策本部は7月3日午後1時30分から、行革推進事務局の堀江事務局長と交渉し、2日に推進事務局が公務員制度改革関連法案(国公法改正法案、能力等級法案、官民交流法改正法案)を非公式に提示し、一方的に各省協議に入ったことに強く抗議し、各省協議を直ちに中止するよう求めた。交渉には、対策本部から、君島企画委員(自治労書記長)、池田日教組副委員長、山本事務局長、宮入副事務局長らが参加、推進事務局側は、堀江事務局長、春田公務員制度等改革推進室長、高原参事官らが対応した。
 冒頭、山本事務局長は、「本日の新聞報道によれば、国公法改正法案が非公式に各省に提示されたとのことだが、これまでの交渉での確認や経過からみて納得できない。まず、経過について説明願いたい」として、見解を質した。
 これに対し、堀江事務局長は、次のような見解を示した。
@推進事務局は、閣議決定された「大綱」を推進する立場にあり、今国会への法案提出をめざしている。与党・自民党からは、法案の条文をもとに検討したい、との要請があり、本日、最新の法案を自民党に説明することになった。そうしたことから、各省にも同様のものを非公式に提示して、意見を聞くことにした。
Aしかし、関係者の意見を聞かずに問答無用の姿勢というのはとらない。4月以来、政府の様々なレベルで組合との話し合いが行われており、推進事務局としては、そうした経緯を踏まえ、4月8日に表明した「誠心誠意対応し、ぎりぎりまで一致点を見出す努力をする」という姿勢は変わっていない。
 以上の見解表明を巡って以下のようなやりとりが交わされた。
【組合】4月8日の交渉における推進事務局長の見解、すなわち、@交渉・協議は推進事務局が責任をもって対応し、そのなかで労働基本権問題も議論しつつ、条文の内容も話し合っていく、Aはじめに法案の閣議決定のスケジュールありきでなく、誠心誠意対応する、B労使協議の場の設置について適切に対応する、との立場は変わってないと理解してよいか。
【推進事務局】今回の非公式の各省協議は、閣議決定の日程を前提としたものではない。4月8日の確認は変わっておらず、組合とは誠心誠意対応する。協議して一致するものがあれば変えていくことになる。
【組合】4月8日の交渉で、組合側が交渉再開に当たって整理すべき事項として提起した、@今回の制度改革で労働基本権を制約した理由、A能力等級制度との関連で、新たな評価制度の前提としての試行の実施の考え方、B大綱に記された「最初に国公法の改正を行い、その後関係法律案の整備」とあったのが国公法・能力等級法・給与法の3法案一体提出に変わり、さらにその後変わった顛末、C新人事制度に関する第2次原案についての64項目に及ぶ質問への回答について、推進事務局として見解を示すよう求めた問題については、どう考えているか。
【推進事務局】組合から提起された課題については承知している。現在、協議の場の設置問題で連合と政府とで話し合われ、石原大臣も努力されており、そこの整理ができた段階で対応したい。
【組合】坂口厚生労働大臣がILOソマビア事務局長に会った際、公務員制度改革に関して、日本政府の方針として「まず、国内で政府と労働組合が話し合い、その結果をILOに報告し、ILOの意見も聞いて、政府の最終的な判断としたい」と4つの手順を説明し、理解を求めている。こうしたILOへの公約ともいうべき坂口大臣の発言を、どう受け止めているか。
【推進事務局】坂口大臣が発言されたことは承知している。石原大臣から坂口大臣に発言の真意を質したところ、「国内でよく組合と話し合いをしていくことが大事だ」との趣旨と理解している。今後、どのように対応するかは、厚生労働省とも相談したい。
【組合】坂口大臣の発言に示された手順は、日本政府の方針であり行革推進事務局も守らなければならないものだ。手順に従って進めるべきだ。
 これから労働組合と交渉・協議していくという段階にありながら、各省と法案の協議を始めたことは、非公式とはいえ納得できない。直ちに協議を中止すべきだ。
【推進事務局】法案協議は非公式のものであり、作業を少しでも進めたいという立場から提示したもので、ご理解願いたい。

 以上のように、行革推進事務局側は、「今回の法案の各省協議は非公式のもので、閣議決定のスケジュールは決めていない。労働組合との協議で一致点があれば、変えていくことになる」との見解を示した。なお、ILO事務局長への坂口大臣の発言については、国際公約であり、これを否定するかのごときの推進事務局の考え方は認められない。あらゆる場で追及し問題視せざるを得ない。対策本部は、今後、さらに追及していくことにしている。

以上