対策本部は、10月7日午後4時から内閣府大臣室で金子一義行革担当大臣に会い、公務員制度改革に関する「政労協議」の実現などについて見解を質した。交渉には、対策本部から丸山本部長(国公連合委員長)、人見(自治労委員長)・榊原(日教組委員長)・石川(全逓委員長)各副本部長、山本事務局長らが参加、行革推進事務局から堀江事務局長、春田公務員制度等改革推進室長、笹島参事官が同席した。
冒頭、丸山本部長は、「大臣就任をお祝い申し上げます」と祝意をのべ、まず、「政労協議」について、「先の通常国会への公務員制度改革関連法案の提出を断念されたことは、1つの見識として評価している。問題は、これからどう対応されるかであるが、ILO勧告もだされており、小泉首相と笹森連合会長との政労トップ会談で合意した『政労協議』を実現し、労使の話し合いのもとに、民主的な公務員制度改革を行うことが重要と考えるが、どうか」と質した。
これに対し金子大臣は、「公務員制度改革の実現に向け、話し合いが大事と考えており、政労協議については、実現していきたい。その時期は国政の状況から総選挙後になると思うが、どういうプロセスが必要なのか、参加メンバーや課題など、実務レベルで前さばきして、話し合って欲しい。どういう形の協議がいいのか、佐藤副大臣・森元政務官とも相談して対応したい」と述べ、この問題について、堀江行革推進事務局長と山本対策本部事務局長との間で話し合い、段取りを詰めていくことを確認した。
ついで、組合側は、公務員制度改革に関するこの間の経緯について触れ、「重点課題として、@近代的な労使関係を築くには、ILOが勧告したように労働基本権を確立して国際労働基準を満たすことが必要である、A能力・実績主義の人事制度を導入するというのであれば、労使間の話し合いを保障する仕組みが重要である、B政・官・業の癒着をなくすには、天下りを禁止し、キャリア制度を廃止すべきた」と述べ、こうした課題について、政労協議で論議するよう、要請した。
この問題について金子大臣は、「指摘された3課題については、私も重要なポイントであると十分理解している。経過のなかでボタンの掛け違いもあり、行き違いもあったが、政労の話し合いで、じっくり相談しながら進めさせていただく」と述べ、さらに、「自民党の行革推進本部とも並行して、複線的に意見交換して欲しい」との考えを示した。
最後に、組合側は、花見内閣官房参与の登用の経緯について質した。これについて堀江行革推進事務局長は、「石原前大臣・根本副大臣の要望もあり、役所側のアドバイスだけでなく労働関係の専門的な分野の方からのアドバイスを受けたいということから、非常勤の一般職公務員として招いたものである」と説明した。
対策本部としては、 本日の交渉の結果について、この間の政府・官邸と連合・連合官公部門対策本部との協議経過、到達点が金子新大臣との間で確認されたとの判断に立ち、連合に設置された新公務員制度研究会での対案作り、政治対策、行革推進事務局との実務的意見交換などを精力的に進めることとしている。
以上