みんなの力で労働基本権確立と民主的公務員制度改革を実現しよう

労働基本権確立・公務員制度改革

対策本部ニュース

No.164 2004年5月14日

公務公共サービス
労働組合協議会


公務員制度改革に関する政労協議スタート

労働側は国際労働基準に沿った労働基本権保障求める
実務者間で議論の進め方について協議することで合意

第1回政労協議
 公務員制度改革に関する政府と連合との第1回政労協議が、5月13日午後6時30分から都内のホテルで開催された。労働側から草野連合事務局長、丸山公務労協「対策本部」本部長、人見公務労協議長が、政府側は金子行革担当大臣、麻生総務大臣、坂口厚生労働大臣が出席した。
 第1回協議では、制度改革の基本的考え方として、政府側から「能力・実績主義の人事管理への転換や再就職ルールの確立などを柱に掲げ、能力等級制や評価制度の具体化にむけ意見交換したい」との考えが示された。労働側は、公務員の労働基本権問題を一体的に改革課題とするよう求めた。その結果、政労の話し合いのもとで制度改革を行う必要性について合意。今後、相互の実務者間で議論の進め方等について協議していくことを確認した。次回は、実務者協議の進展をみながら決めることにした。

 冒頭、金子行革担当大臣は、「公務員制度改革に関して、政府と連合との協議が開催できたことは、大変意義あること」と述べ、昨年5月の政労トップ会談で合意した政労協議が開催されたことを評価した。これを受け、政府側、労働側が次のように発言した。
 麻生総務大臣「民間の会社勤務の経験からも、組合とよく話し合い、相互理解が大事と考える。制度所管の大臣として内閣官房と連携して対応し、協議が進むことを期待している。」 
 坂口厚生労働大臣「ILOソマビア事務局長との懇談で、政府と連合が話し合い、その結果に対するILOの意見を聞き、それを踏まえて決めることが大事と述べたが、この協議で相互の意思疎通を図るようにしたい。」
 草野連合事務局長「連合は、公務員制度改革は必要との認識を持っており、関係者の協議と合意を目指して今次会談が開催されたことを評価する。労働基本権問題については、ILO勧告を踏まえ、『大綱』にとらわれず、現行の制約を見直すべきである。」
 こうした冒頭あいさつの後、金子大臣が今回の公務員制度改革の必要性や趣旨等について触れ、「年功的人事管理を能力・実績重視の人事管理へ転換するとともに、適正な再就職ルールを確立することなどを柱とする制度改革を実現したい。改革の実現には職員団体の理解と協力が必要であり、今後、能力等級制や評価制度などの具体化に当たって率直な意見交換を行い、改革を着実に進めたい」との考えを示した。
 これに対し労働側は、制度改革に当たっての基本的考え方として、「昨年の通常国会に政府法案が提出に至らなかった事実を重く受け止め、国内外からの厳しい批判を踏まえ『誰のために、何を、どのように、どんな手法で、改革すべきか』という骨組みを示す必要がある」と指摘した。そのうえで、制度改革の前提として、@公務員への信頼回復と国民の意を体した政治主導の確立、A諸課題の一体的改革、B公務における労使関係の存在、C新給与・人事制度に見合う評価制度と労使関係制度の民主的改革、をあげた。そして、具体的な改革課題として、次の5点の実現を求めた。
 @公正・中立な公務員人事管理の徹底
 A縦割り行政の弊害是正
 B特権的キャリア制度の抜本的改革
 CILO国際労働基準を満たした公務労使関係・人権の確立(消防・刑務所、刑事罰からの解放等)
 D天下り禁止と適正な退職管理
 引き続く意見交換で労働側は、消防職員の団結権問題について、協議の場を通じて解決するよう重ねて求めるとともに、6月に開催されるILO総会への対応について、「ILOに提訴し勧告がなされた経緯を踏まえつつも、国内で問題解決し国際舞台で無益な対立は避けるべき、というのが基本姿勢である」として、政府側の見解を質した。政府側は、「歓迎すべき提案であり、双方で足並みを揃えた対応を望んでいる」との考えを示した。
 第1回協議の結論として、今後、双方の実務者間での協議を実施し、議論の進め方などについて整理していくことを確認、その結果を踏まえ次回の開催時期を決めることにした。

 対策本部は、この政労協議の開催をうけ、労働基本権の確立と民主的な公務員制度改革を実現するため、構成組織の職場段階からの取り組み態勢を再確立することにしている。

以上