6月15日、行革推進事務局で、公務員制度改革を課題として第1回関係者実務協議が開かれた。これは、5月13日の連合と関係大臣との第1回政労協議の確認を踏まえて持たれたもので、政府側は、堀江行革推進事務局長、春田同公務員制度等改革推進室長、戸谷総務省人事・恩給局長、青木厚生労働省政策統括官らが、組合側は、長谷川連合経済政策局長、山本公務労協事務局長らが参加した。
冒頭、堀江事務局長は、「政労協議を踏まえて関係者実務協議を開催するが、この場の議論が進んで次の政労協議の橋渡しができればと願っている」と挨拶し、春田室長から、9日に与党行財政改革協議会が政府に申入れた「今後の公務員制度改革の取組について」説明がなされた。
与党の申入れ内容では、@能力等級制を導入し、能力・実績主義の人事管理を実現する、A退職管理の在り方を見直すとともに再就職の適正化を図る、の2本柱を掲げ、この方針に基づいて本年中の国会に国公法改正法案等の提出を求めている。労働基本権問題については「職員団体との幅広い意見交換」を要請している。
組合側は、連合「公務員制度研究会」での議論の経過について説明。また、能力等級制について、「有効に機能する制度として設計できるとは考えにくい」として、その問題点を指摘した。
協議では、政労協議与党方針を巡って議論がなされた。組合側は、@政府は2本柱に限定した与党方針をどう受け止めているのか、A法案提出のスケジュールはどうか、と質した。
これに対し政府側は、次のように見解を示した。
@与党の方針として重く受け止めている。法改正に当たっては、これから皆さん方の意見も聞き、相談しながら行うようにしたいと考えている。ただ、2課題以外についても、議論の進展如何で必要な課題がでれば取り上げることになる。
A法案提出の時期については、官邸や与党とよく相談したいと考えているが、早期提出に最大限努力したい。ただし、改革を進めるためには、職員団体と誠意を持って意見交換を行うことが重要であると考えており、職員団体の意見を十分に伺いながら進めたい。
組合側は、「50年ぶりの抜本的な公務員制度改革といいながら、2本柱だけで収束するとすれば、問題だ。第一段階として課題を絞るとしても、労働基本権の保障など制度の抜本改革に向けた道筋を作業工程を含め示すべきだ」と主張した。
協議では、評価制度や公務の労使関係など政労協議で検討を求められた個別課題について、今後、さらに議論を行うことにし、次回第2回協議を7月中旬をメドに開催することを確認して、終了した。
以上