対策本部岩本・岩岬副事務局長および各構成組織の公務員制度担当者は、21日、行政改革推進事務局の笹島参事官らと「国家公務員制度改革関連法案の骨子(案)」を巡る第4回目の交渉・協議を行った。
対策本部は、前回交渉で、@能力等級制の意義と目的などの考え方、A「職務」「官職」「官職分類」という言葉の定義、B官職分類に係る使用者と人事院の分担、などについて、文書で回答するよう求めていたが、笹島参事官は「法制的な詰めを行っているところであり、ペーパーにする状況に至っていない。詰めていくためにもいろいろいろ議論させていただきたい」とし、文書回答を示さなかった。
このため対策本部側は「文書回答ができないなら口頭でも示してもらわないと議論が進まない」として、@能力等級制をトータルシステムではなくて「任免の基礎」に使うというのなら給与には使わないのか。使うとすれば「任免の基礎」とはならないのではないか、A官職の位置づけは変えないこととし国家行政組織法の官職分類を使うとのことだが、公務員制度上の官職分類は定義しないのか、B能力等級制では官職分類を管理運営事項と位置づけているが、職階制の下での官職分類が人事院の権限とされていたことをどう考えるのか、C能力等級制の分類は行(一)は4段階になっており、課長の指揮命令を受ける企画官が課長と同一の能力等級に格付けされているが、国家行政組織法では明確に上下関係であり、整合しないのではないか、などと能力等級制の基本に関わる疑問点について明確な回答を行うよう求めた。
これに対し推進事務局側は、「検討中であり、皆さんに示せる段階に至っていない」との言い訳を乱発しつつ、@給与をどうするかは人事院の方で考えることであるし、給与に使わないということではないが、一義的には「任免」に使うという趣旨である、A国家行政組織法令(=国家行政組織法、各府省設置法、各府省組織令、各府省組織規則等を含む。前回の「国家行政組織法」を修正)で個々の官職の職務の内容は位置づけられており実際に官職が存在しているので、能力等級制による官職分類は実態としてはそれと一致するものになる。したがって、改めて国公法で官職の定義をする必要はない、B当時は職階制を人事院に所掌させことが適当と考えたものと思うが、公務員制度改革の趣旨から言えば、行政ニーズに対応した弾力的な組織運営を行うためにも任命権者が官職分類を行うことが適当と考えている、C企画官と課長は能力等級制上の職務の複雑・困難・責任の度でグルーピングすると一緒になるということであり、指揮命令系統とは別の話である、などの考えを示すにとどまり、第3回協議と同様、能力等級制を導入する積極的意味は一向に明確にならなかった。
以上のように、何度議論を重ねても能力等級制の基本に関わる事項が明らかにされないため、対策本部側は「公務員制度改革の全体像や能力等級制度の詳細な制度論を出してもらって、それに基づいた議論を行わない限り、これ以上議論しても意味がない」として、行革推進事務局との交渉・協議をいったん中断し、次回はわれわれが求める説明資料=制度原案等の文書が示されてから行うことを申し入れ、推進事務局側もこれを了承した。
以上