12月5日から宮崎で開催される第18回ICFTU(国際自由労働組合連盟)世界大会に参加するため、来日したシャメンダ会長とITF(国際運輸労働組合連盟)のコックロフト書記長らは、2、3日の両日、政府が検討を進めている公務員制度改革について、政府(厚生労働大臣)および社民・民主・公明・自民各政党に対して要請行動を実施した。
要請行動は、ILO結社の自由委員会への共同提訴6団体として取り組んだもので、シャメンダ会長、コックロフト書記長のほか、草野連合事務局長、人見公務労協議長、伊藤UNI−Apro東京事務所長、河田IFBWW-JAC事務局長らが参加した。
シャメンダ会長は、「国際労働運動は日本政府が進めようとしている公務員制度改革に重大な関心を持って見守っており、世界中の労働組合関係者が集うこの世界大会を契機に日本が模範的な役割を果たすよう期待している」と発言した。コックロフト書記長は、韓国で公務員に労働協約締結権を含む団体交渉権を与える法案が国会に提出されていることを指摘し、「これが通ればOECD加盟30カ国の中で公務員の団体交渉権を制約しているのは日本のみになる」と述べて注意を喚起した。そして、両氏とも、公務員制度改革に当たって、ILOの勧告を尊重し国際労働基準に沿って公務員に労働基本権を保障するよう強く求めた。
民主党岡田克也代表、社民党福島みずほ党首は、いずれも組合の主張に賛成し、国際労働基準に則った公務員制度改革の実現に全力をつくすと確約した。
公明党の坂口力副代表(前厚生労働大臣)は、かつて厚生労働大臣としてソマビアILO事務局長に表明した「政府と労働組合との十分な協議」について、その必要性を改めて表明した。自民党の衛藤征士郎党行革推進本部長は、労働基本権問題について、連合と引き続き意見交換していく意向を示した。
尾辻秀久厚生労働大臣は、「政府と労働組合とは閣僚レベル、実務者レベルで協議を行っており、制度設計に当たっては引き続き話し合いを進めていく。坂口前大臣のソマビア事務局長への発言を踏まえ対応する」との考えを示した。
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