政府・自民党は、臨時国会が終了した12月10日、公務員制度改革法案の国会提出を当面見送り、年末に予定されている新しい行革方針に今後の取組み方針を盛り込むことを確認した。この事態の推移を受けて対策本部は13日、この間の経緯や政府・与党の動向に対する見解を盛り込んだ「対策本部長談話」を発表した。
2004年12月13日
公務労協公務員制度改革対策本部長
丸山 建藏
1.自民党は10日8時から公務員制度改革委員会(片山委員長)全体会を開催した。この場で、村上行革担当大臣は、総理、官房長官とも相談の結果として以下の政府方針を説明し、党は基本的にこれを了承し、具体的扱いを役員に一任した。
2.政府・与党が、次期通常国会への法案提出についても事実上断念し、12月24日に 閣議決定が予定されている新行革大綱(「今後の行政改革の方針について」)に、評価の試行等当面の措置等、今後の公務員制度改革に対する方針を盛り込むこと等の方針を決定したことは、2000年12月1日の行政改革大綱、2001年12月25日に閣議決定された公務員制度改革大綱に基づく公務員制度改革が実を結ぶことなく、新たな仕切直しを余儀なくされたことを意味しており、その政治的・社会的責任は極めて重い。
3.連合・公務労協は公務員制度の抜本改革が緊切の課題と認識している。改革には、国際労働基準を満たした新たな労使関係制度の確立とそれを基礎とした整合性のとれた制度設計が不可欠であるとの認識に立ち、政府の縮小・収束路線(与党申し入れ)に対し、9月3日の懇談会の場で、西尾研究会報告を踏まえ「最小限の要求」と「『評価制度について』の考え方メモ」を提示し、自民党行革本部役員との精力的 な協議を進めた。
協議は誠実で真摯なものであったが遺憾ながら成案を得るに至らず、11月18日、自民党案に対する連合・公務労協の最終見解を表明し、政府・自民党に対して、可及的速やかに国民的合意に基づく抜本的改革断行のため「ボタンの掛け違い」を正し、行革推進事務局公務員制度等改革推進室を閉じ、新たな枠組みを作るべく特段の指導性を発揮されることを強く求めた。
4.2001年1月以来4年間に投入された膨大な人的・時間的・財的資源と経験を無駄にすることは許されない。
新たな仕切直しを余儀なくされている今、抜本改革をなし崩し的に現行制度下での弥縫策に解消することは許されない。
公務労協は、改めて政府・与党に対し以下のことを求めるとともにものである。
国と地方自治体の基盤的制度である公務員制度の改革には、それに相応しい手続きと内容が求められている。5月13日第1回政労会談の枠組みとそれを支えた精神を引き続き堅持し、仕切直しの具体的方法と内容について合意を目指した十分な協議を求める。
5.仮にも政府・行革推進事務局が、一方的に「今後の方針」を押しつけてくるのであれば、公務労協は中央・地方から全力でこれに立ち向かうことを表明する。
労働基本権を確立した民主的公務員制度実現のためには、政府の強行路線を許さない取組みに倍する政治的・社会的力と取組みが必要である。
公務労協は、国民の目線に立った改革を実らせ、国際労働基準に沿った労使関係制度を確立するために、引き続き連合に結集し、国際労働運動をはじめ国内外のすべての力を結集してねばり強く闘い続けることを表明する。
以上