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労働基本権確立・公務員制度改革

対策本部ニュース

No.187 2007年3月9日

公務公共サービス
労働組合協議会


対策本部が渡辺行革担当大臣に申入れ−3/8

−大臣は「これまでの議論の積み重ねを踏まえ、今後も話し合いを継続」と回答−

 公務労協公務員制度改革対策本部は、公務員制度改革関連法案の取りまとめをめぐって、3月8日、渡辺行政改革担当大臣申入れを実施した。
 申入れは、内閣府内で行われ、対策本部側は福田本部長(国公連合委員長)、岡部(自治労委員長)・森越(日教組委員長)・菰田(JPU委員長)各副本部長、山本事務局長が参加し、政府側は渡辺喜美行政改革担当大臣以下、株丹行政改革推進本部事務局次長らが対応した。
 冒頭、福田本部長が渡辺大臣に「公務員制度改革関連法案の取りまとめに当たっての申入れ」(別紙)を手交し、「公務員制度改革関連法案の取りまとめが山場を迎えている。取りまとめには、我々と十分な交渉・協議をお願いする。申入れにあたり3点申し述べたい。ひとつは、この間金融、財政、教育、司法、労働政策など様々な改革が進められてきたが、公務員制度改革は残された最大の課題であり、国民の目線に立って、他制度と平仄のあった改革を行っていただきたい。二つ目に、天下り問題については連合の研究会がまとめた「公務員制度改革に関する提言」に示してある中身となるよう、キャリア制度を含めた改革をお願いしたい。三つ目に、能力・実績主義の導入については我々も反対ではなく、労働基本権の確立を含む労使関係制度の改革と一体で行っていただきたい。以上3点を踏まえ、検討をお願いしたい」と申し入れたのに対し、渡辺大臣は「申入れは承った。今後も話し合いを継続してまいりたい」と述べたことから、引き続き意見交換を行っていくことを確認し、申入れを終えた。


(別紙)

2007年3月8日


行政改革担当大臣
 渡 辺 喜 美 殿

公務公共サービス労働組合協議会
労働基本権確立・公務員制度改革対策本部
本部長 福 田 精 一


公務員制度改革関連法案の取りまとめに当たっての申入れ


 公務員制度改革については、貴職において今国会に提出すべく関連法案の取りまとめ作業が進められているものと拝聞していますが、今日に至るも改革案の全容は提示されていません。政府は、2004年12月24日の閣議決定(「今後の行政改革の方針」)において、改革案の検討にあたっては「関係者間の調整」を十分進めることを約束していることからも、その取りまとめに当たっては公務労協と十分交渉・協議し、合意すべきものと考えます。
 「再就職管理の適正化」として検討されている事前規制の撤廃と行為規制の導入は、いわゆる天下りの自由化であり、国民が求める公務員制度改革に逆行する極めて問題のある内容だといわざるを得ません。また、能力・実績主義人事管理の強化については、労働基本権の確立を含む労使関係制度の改革と不可分のものであり、それを切り離すことは到底容認できませんし、今回の任用制度見直し案で能力本位の任用が実現するとはまったく考えられません。
 政官財の癒着構造を断ち、官僚主導の政治と行政を転換するためには、キャリア制度の廃止を含めた公務員制度の抜本改革が必要です。以上のことを踏まえ、貴職におかれては、公務員制度改革案の取りまとめに当たって、われわれとの十分な交渉・協議を行うとともに、下記事項の実現に向け最大限努力されるよう強く要請します。



1.国家公務員法改正法案の策定作業にあたっては、公務労協と十分交渉・協議、合意することとし、一方的な国会提出を行わないこと。

2.「能力・実績主義人事管理を徹底」するための国家公務員法改正にあたっては、労働基本権の保障、交渉による賃金・労働条件決定システムと労使協議制を整備するための規定を一体のものとして設けること。

3.能力・実績に基づく人事制度の法制上の整備については、新たな評価制度の整備を行い、任用・給与等の運用に資することとすること。その際、「能力」や「実績」の定義を法律上明確にすること。「職制上の段階」や「標準職務遂行能力」等は制度化しないこと。

4.いわゆる「キャリア制度」の廃止を明確にし、採用試験制度を抜本的に見直すこと。

5.任用の中立・公正性を確保するため、複雑・困難、責任の度に応じた個々の官職の任用基準と透明で民主的な手続きを定めること。その際、一定の官職以上への任用にあたっては「審査委員会」等を設けること。

6.新たな交渉による賃金・労働条件決定システムや労使協議制が構築されるまでは、政令等を定めるにあたって職員団体等との「協議制度」を整備すること。

7.評価の任用・給与等への活用については、評価の試行結果を踏まえて慎重に検討すること。新たな評価制度については、評価基準・結果の開示と職員代表等が参加する苦情処理システムを整備すること。

以上