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労働基本権確立・公務員制度改革

対策本部ニュース

No.197 2007年6月27日

公務公共サービス
労働組合協議会


参・内閣委で高嶋議員が政府から確定的な答弁引き出す−6/27

労使関係の改革、人事評価制度の整備、有識者の検討の場への労働界代表参加等で

 27日9時30分から15時30分まで参議院内閣委員会が開かれ、国公法等改正法案の審議が行われた。午後から質問にたった民主党の高嶋良充参議院議員は、@公務員への労働基本権確立を明確にした労使関係の改革A人事評価制度における評価結果の開示と組合が参加する苦情処理制度の整備B評価の政令制定の際の組合との十分な協議C総理の下に置かれる有識者の検討の場への労働界代表の参加、などについて、政府の姿勢を追及し、今後の取組みの足がかりとなる確定的な答弁を引き出した。

 内閣委員会は28日にも6時間コースで開かれ、審議時間は30時間に近づくが、野党側は採決には応じないで、さらに慎重審議を求める方針。与党は、28日の厚生労働委員会で社保庁改革法案等の強行採決を行い、29日の本会議で可決・成立させる方針。その際、国公法等改正法案も委員会採決のないまま、「中間報告」で一挙に本会議採決を行うことも検討されている模様である。
 いずれにしろ、国会は終盤の最大の山場を迎えて与野党の対決が強まる情勢にある。国公法等改正法案の取扱いもまったく予断を許さない局面に入ったが、公務労協対策本部としては、本日の能力・実績主義人事管理に関わる高嶋議員の政府に対する追及と答弁を踏まえ、労働基本権を含む労使関係の改革や人事評価制度の確立に向けて引き続き取組みを強めることとしている。

 内閣委員会での高嶋議員の能力・実績主義人事管理に関わる質問と、政府側の確定的な答弁は次のとおりである。

<労働基本権の付与と労使関係の改革について>
○高嶋議員
 能力・実績主義人事管理を行うのであれば、もはや労働基本権制約政策は続けられない。専門調査会の議論にゆだねるのではなく、政府としてILO勧告を踏まえ、公務員に労働基本権を付与する方向で検討するとの明確な意思表示をすべきではないか。
○塩崎官房長官
 公務員の労働基本権を含む労使関係のあり方については、行政改革推進本部専門調査会において、精力的に検討が行われているところである。政府としては、労使関係の改革が必要であるとの「議論の整理」(4/24)の方向性に沿った形で、できるだけ早期に結論をいただきたいと考えている。
 政府として専門調査会の結論を尊重し、速やかに労働基本権を含む公務員の労使関係を改革の方向で見直すべく、取り組んで参りたい。

<人事評価制度の整備と組合との十分な協議について>
○高嶋議員
 能力・実績主義に基づく人事行政は進めていく必要があるが、その基礎となる人事評価制度が公正・公平、透明で、信頼性のあるものとして整備される必要がある。そのためには、評価基準・結果の開示と、職員代表等が参加する苦情処理制度の整備が不可欠ではないか。
○林副大臣
 能力・実績主義人事管理を実施するためには、勤務評定制度に代わる信頼性の高い新たな評価制度を構築することは不可欠の課題である。
 評価結果等のフィードバックと苦情処理の仕組みなどの検討も必要であり、信頼性の高い新たな評価制度を構築し、それを活用するに当たっては避けて通れない課題であると考えている。今後の試行等の結果を踏まえ、関係者等の意見も聞きつつ、最大限努力して参りたい。

○高嶋議員
 人事評価に関わる政令を定める際に、人事院の意見を聞くことは当然のこととして、評価される側の納得を得るためにも、労使間で十分協議し、合意することが必要ではないか。また、人事評価制度に関わる労使協議制度の制度化への取組についても必要だ。
○林副大臣
 人事評価制度に関わる政令を定めるに当たっては、職員団体等と十分話し合いを行い、理解と納得を得るよう最大限努力する。
 また、人事評価に関わる労使協議については、行政改革推進本部専門調査会の審議を踏まえ、速やかに取り組む。

<総理の下の有識者の検討の場への労働界代表の参加について>
○高嶋議員
 本来であれば公務員制度改革の全体像を示した上で法案を審議すべきであるが、政府が総理の下に設置される有識者による検討の場で全体パッケージとしての公務員制度改革を検討するのであれば、広く国民的な声を反映する観点から労働界代表を参加させるべきと考えるが、官房長官の見解を伺う。
○塩崎官房長官
 総理の下に設置する有識者による検討の場においては、採用から退職までの公務員の人事制度全般の課題について総合的・整合的な検討を行い、その審議結果を踏まえ、次期通常国会に基本法を提出し、全体パッケージによる改革を進めることとしている。
 有識者の具体的な人選については、広く国民的な議論を行う観点から、(高嶋議員の労働界代表を参加させるべきとの)ご指摘の点も踏まえ、今後検討していく。
○高嶋議員
 今の答弁は、労働者代表の参加を前向きに検討する考え方が示されたものと理解する。