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労働基本権確立・公務員制度改革

対策本部ニュース

No.199 2007年10月25日

公務公共サービス
労働組合協議会


専門調査会報告で渡辺行革担当大臣に申入れ−10/25

−大臣は「職員団体と十分な意見交換をしていく」と回答−

 公務労協公務員制度改革対策本部は、25日10時30分から金融庁内の大臣室で、渡辺行政改革担当大臣に対し、別紙の「公務員の労働基本権のあり方に関する申入れ」を行った。この申入れは、19日に行政改革推進本部の専門調査会が「公務員の労働基本権のあり方について(報告)」を取りまとめ、政府に提出したことを踏まえて実施したもので、対策本部側は福田本部長(国公連合委員長)、岡部(自治労委員長)、森越(日教組委員長)、河田(林野労組委員長)副本部長、井津井国税労組委員長、佐藤全水道委員長、宇野税関労組委員長、竹林国交職組委員長、吉澤事務局長が参加し、政府側は渡辺喜美行政改革担当大臣、株丹行政改革推進本部事務局次長らが対応した。
 冒頭、福田本部長が渡辺大臣に別紙「申入れ」を手交し、「19日に専門調査会報告がまとまり政府に提出されたが、「労働協約締結権を付与する」ということを明記したことについて、一歩踏み出したものとして評価する。しかしどう実現していくかという問題はこれからである。総理の下の懇談会や基本法の国会提出に向けていろいろな課題があるので、大臣の引き続きのご努力をお願いしたい。改正国公法ですでに能力・実績主義の導入が決まっているが、労使関係の確立が前提でなければならない。「5年」もかけて改革するというのは問題である。本当の意味での公務員制度改革の実現を求めておきたい」と申し入れたのに対し、渡辺大臣は次の通り答えた。

(1)1月に、座長に4月中の中間まとめ、10月中の最終報告をお願いした。また、協約締結権、争議権を一定の範囲で付与することを検討して欲しいという私の考えも明らかにしてきた。調査会では熾烈な議論があったが、能力・実績主義を導入し、ガバナンスの取れた関係を構築するには労働基本権は避けて通れないというのが私の意見である。福田総理になって、急速にブレーキがかかったということはないと思っている。調査会報告は100%とは言えないものであったが、出口のない議論を延々とやることからすれば、よくここまでたどり着いたと思う。団結権、争議権は両論併記だが、改革の方向は見失われていない。
(2)これから、まず政府部内で検討し、与党に諮る。衆参のねじれは数年間続くので、民主党とはきちんと話し合っていきたい。職員団体の皆さんとは意思疎通をしっかりやっていきたい。適宜このような場を設けて十分な意見交換をしていくのでよろしくお願いしたい。

 この回答に対し、対策本部側は、「国民に信頼される公務員制度をつくる立場にたって改革を行うべきであり、その中に労使関係の改革を盛り込んで欲しい。改革の具体化に向けて、これからもわれわれと十分話し合いながら、一層努力していただきたい。公務員制度改革は提言がされても進んでこなかったということがあり、今度は改革を後戻りさせないようにしていただきたい」と強く要請し、申入れを締めくくった。


(別紙)

2007年10月25日


行政改革担当大臣
  渡辺 喜美 様


公務公共サービス労働組合協議会
労働基本権確立・公務員制度改革対策本部
本部長  福田 精一


公務員の労働基本権のあり方に関する申入れ


 日頃の国政全般における貴職のご尽力に心から敬意を表します。
 さて、10月19日、行政改革推進本部専門調査会は、「公務員の労働基本権のあり方について」を報告として取りまとめました。報告は、「労使関係の自律性の確立」「一定の非現業職員に対する協約締結権の付与」等の改革の方向性を明記した一方、団結権及び争議権等については両論併記にとどまり、なお多くの課題を残したものとなっています。
 つきましては、今後の公務員の労働基本権のあり方に関する検討と具体化について、下記のことを実現されるよう要請します。



1.ILO勧告を満たした労働基本権の確立と民主的公務員制度改革を実現すること。
2.専門調査会報告が指摘した「改革の具体化にあたり検討すべき論点」等、制度の具体的検討については、使用者側と労働者側の代表による機関を設置すること。
3.公務員制度の総合的な改革に関する懇談会において、専門調査会報告を踏まえた対応をはかるとともに、次期通常国会に公務員の労使・労働関係を抜本改革するための「国家公務員制度改革基本法案(仮称)」を提出し、より具体的な改革の方向性及び実施時期を盛り込むこと。
4.以上の具体化について、公務労協との交渉・協議を直ちに開始し、合意に基づき進めること。