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労働基本権確立・公務員制度改革

対策本部ニュース

No.200 2007年12月11日

公務公共サービス
労働組合協議会


"公務・公共部門の団体交渉制度の在り方に関する研究会"発足

今後の検討課題やスケジュールを確認−12/10

 12月10日、「公務・公共部門の団体交渉制度の在り方に関する研究会」(以下、「研究会」という。)が発足した。
 研究会は、「一定の非現業職員について、協約締結権を新たに付与する」とした行政改革推進本部専門調査会報告を受けて、公務労協が今後の政治対策や政府との交渉・協議を進めるに当たって、公務における団体交渉制度の詳細設計や協約締結権の付与の在り方の具体的な考え方を取りまとめるため、「労働基本権確立・公務員制度改革対策本部」の下に立ち上げたもの。今後は、現在人事院勧告制度の対象となっている非現業公務員の団体交渉制度の在り方について先行して検討していき、その上で、協約締結権を有しているグループを含めたトータルシステムを検討していくことにしている。
 第1回研究会では、河田公務労協副議長が、「専門調査会報告が出されたが、現時点では最終確定となっていない。限られた時間のなかではあるが、われわれとしての一定の方向性を出したい」と挨拶し、続いて、座長に毛塚勝利・中央大学教授、副座長に金田自治労書記長を選出した。その後、研究会の趣旨・目的、主な検討課題と今後の進め方について確認し、フリートーキングが行われた。
 今後は、月1回ペースで研究会を開催し、各委員からのレポートや実態報告等をもとに議論を行い、1年間程度をかけて最終報告を取りまとめる予定にしている。


資料1

公務・公共部門の団体交渉制度の在り方に関する研究会 名簿

(2007.12.10現在)


  小 川   正  弁護士
◎ 毛 塚 勝 利  中央大学法学部教授
  島 田 陽 一  早稲田大学法学学術院教授
  清 水   敏  早稲田大学社会科学総合学術院教授
  槇 枝 一 臣  弁護士
  阿 部 卓 弥  都市交書記長
  岩 ア 春 良  林野労組書記長
○ 金 田 文 夫  自治労書記長
  久保田 和 尊  全水道書記長
  竹 井 京 二  全印刷書記長
  中 村   讓  日教組書記長
  森 永   栄  国公連合書記長
  花 村   靖   〃  書記次長
  吉 澤 伸 夫  公務労協事務局長
  岩 岬   修   〃  副事務局長
  藤 川 伸 治   〃    〃


(◎は座長、○は副座長)


資料2

研究会の趣旨・目的、主な検討課題について


1.研究会設置の趣旨・目的について

(1) 公務員の労働基本権の在り方を検討してきた行政改革推進本部専門調査会は、10月19日、「一定の非現業職員について、協約締結権を新たに付与する」とする報告を取りまとめた。これを受けた政府(行政改革推進本部)は、公務員制度の総合的な改革に関する懇談会の審議を踏まえ、次期通常国会に提出が予定されている公務員制度改革基本法案に公務員の労使関係制度の改革方向を盛り込むかどうかの検討作業を進めている。この基本法で期限を盛り込んだ改革方向が明記されれば、労使関係制度の改革に関わる個別課題が検討され、まとまったものから逐次法案化されていくことが想定されている。
 しかし、政府の姿勢は、専門調査会報告で協約締結権の具体的な在り方を両論併記に止め、「慎重に決断」するとしたことも含め、極めて慎重であり、公務の労使関係制度の改革を巡る今後の情勢は不透明であり、予断を許さないものとなっている。
(2) こうした中で公務労協は、引き続き労働基本権の確立を含む抜本的な公務員制度改革を求めていくこととするが、当面、上記の流れの中で、専門調査会報告を踏まえた公務労使関係制度の改革、すなわち団体交渉による賃金・労働条件決定制度の実現に全力で取り組んでいかなければならない。
 ひとくちに公務における団体交渉制度といっても、国公、地公、教育それぞれの態様が考えられ、一様ではない。また、協約締結権の付与の在り方によっても制度の在り方は大きく制約を受ける。したがって、今後、政治対策や政府との交渉・協議を進めるに当たって、われわれが公務における団体交渉制度の詳細設計や協約締結権の付与の在り方の具体的な考え方を取りまとめておくことは極めて重要である。
(3) 以上のことから、公務労協公務員制度改革対策本部の下に「公務・公共部門の団体交渉制度の在り方に関する研究会」(以下、団交研究会)を設置し、専門的な観点からこれらの取りまとめ作業を開始することとする。
 その際、現在人事院勧告制度の対象となっている非現業公務員の団体交渉制度の在り方について先行して検討することとし、その上で、協約締結権を有しているグループとのトータルシステムを検討することとする。


2.主な検討課題

(1) 検討対象
○ 一般職の非現業公務員(人事院・人事委員会勧告対象職員)の団体交渉制度
○ 公務・公共部門のトータルシステム

(2) 公務における団体交渉による賃金・労働条件決定システムの基本的な設計
@ 人事院・人事委員会勧告制度の廃止
A 団体交渉制度の確立
○ 当事者
○ 交渉関係(中央・地方・職場)
B 団体交渉事項
C 労働協約など
D 団体交渉不調の場合の調整システム
E 不当労働行為制度

(3) 個別対象毎の団体交渉システムの詳細設計
@ 国公
A 地公
B 教育
C その他

(4) 勤務条件法定主義との関わり

(5) 労使協議制度

(6) その他