2011年2月23日開催
シンポジウム「公契約条例と公共サービス基本条例制定の今日的意義」
2011年2月23日、東京・千代田区のホテルルポール麹町で、シンポジウム「公契約条例と公共サービス基本条例制定の今日的意義」(主催:公務公共サービス労働組合協議会、NPO事業サポートセンター 後援:連合)が開催されました。
このシンポジウムは、講演、発表、ディスカッションの3部を通して、「公契約条例」「公共サービス基本条例」の必要性を様々な角度から検討し、議論しようというもので、会場には全国から労組メンバーなど約200人の参加者が集まりました。コーディネーターや4人のパネリストが白熱した議論を展開する中、参加者からも積極的な発言が続き、これからの自治のあり方や公共性の担保に向けた具体的なアイディアも生まれるなど、熱気に満ちた実り多いシンポジウムとなりました。
ショートリポート
- 主催者挨拶として、公務労協中村讓議長がシンポジウムの意義とその目的を話し、司会進行の藤川伸二公務労協副事務局長がコーディネーター、パネリストを紹介してシンポジウムが始まりました。
- 第1部では、コーディネーター役の朝日新聞論説委員の竹信三恵子さんが「公共サービスの現状と問題点」と題して、非正規職員問題などを取材し続けてきたジャーナリストの視点から、問題を提起。参加者は取材時の体験談を交えながらの迫力ある講演に聴き入っていました。
- 第2部では、第1部での問題提起を受け、連合・副事務局長の團野久茂さんら4人のパネリストが、労働組合やNPO支援団体という立場から、中小企業やNPOで働く人たちの実情を報告。公共サービスの質の担保の必要性をそれぞれの視点から訴え、今後の取り組みへの決意を伝えると、会場内では大きくうなずいたり、拍手したりする人の姿も見られました。
- 第3部のパネルディスカッションでは、パネリスト同士が思わずニックネームで呼び合うような、なごやかな雰囲気の中、さらに踏み込んだ議論が行われました。「公契約条例」の先進的な事例をもとに、今後の課題やその解決策に関連して、それぞれが持論を展開。熱くなり、話が長くなりそうなパネリストをコーディネーターの竹信さんがダジャレで牽制し、会場が笑いに包まれるという一幕もありました。
シンポジウムに参加した36歳の女性は、「とても有意義なシンポジウムで、私たちだけで聴くのはもったいない。こうした会に、いろんな立場の人が参加すれば、それがそのまま公共サービス基本条例案でいう市民会議の場になる」と興奮した様子で感想を語りました。
コーディネーター
- 竹信三恵子 (当時朝日新聞編集委員兼論説委員、現和光大学現代人間学部教授)
- 1976年、朝日新聞社入社。
経済部記者、シンガポール特派員、東京学芸部次長などを経て、2007年4月から朝日新聞編集委員。
パネリスト
- 團野久茂 (日本労働組合総連合会[連合]副事務局長)
- 1973年 (株)日本鋼管入社。
日本鋼管本社労組書記長、執行委員長、連合東京副会長などを歴任。
2007年 連合副事務局長。
- 山根眞知子 (NPO事業サポートセンター理事)
- 2000年、NPO事業サポートセンターでNPO支援に従事。
2003年、NPO事業サポートセンター理事、NPO法人EDGE理事、NPO法人シニアメイト理事を兼任。
- 高橋公 (内閣府「新しい公共」推進会議委員)
- 1977年、自治労本部入職。
1997年、日本労働組合総連合会(連合)社会政策局長。
現在、自治労特別執行委員、NPOふるさと回帰支援センター専務理事・事務局長などを兼任。
- 勝島行正 (公益社団法人 神奈川県地方自治研究センター事務局長)
- 1970年、横浜市役所に入職。自治労横浜書記長、自治労神奈川県本部書記次長、同副委員長を歴任。
1999年、神奈川県地方自治研究センター常務理事・事務局長。